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2011 年度 実績報告書

ベクターメソンを用いたQCDの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J04929
研究機関大阪大学

研究代表者

森野 雄平  大阪大学, 核物理研究センター, 特別研究員(PD)

キーワード原子核 / 粒子測定技術 / 素粒子
研究概要

SPring-8におけるLEPS実験において、γn→K^<->X反応の欠損運動量分布から、S=1の鼠子数をもつバリオンΘ^+が発見された。これは、構成クォーク5個からなるペンタクォークの非常に有力な候補と解釈されている。発見当初、複数の実験施設でΘ^+が追認されたが、その後ピークが消えたと発表する実験グループが相次ぎ、現在においてもその存在は議論の渦中である。LEPS実験と他グループでは検出器が覆う角度領域が大きく異なり、入射ビームの種類やエネルギーも異なるなどの点を考慮すれば矛盾した結果が出ているわけではない。しかし、これまでの結果を考えると、Θ^+は存在するならば、その断面積は生成過程に強く依存しており、K*Nとの結合が小さく、崩壊幅がMeV以下と非常に細いはずである。
Θ^+は存在すればK^<+>nと同様にK^<0>pに崩壊するはずであり、この崩壊モードでの探索でΘ^+のピークが確認できれば、Θ^+の存在の議論に大きな役割を果たす事が期待される。これまでの実験結果を考慮すると、γp反応でのΘ^+の生成においては、K-が超前方に散乱するはずである。
したがって、1.4~3GeVのγビームを用いて、標的として液体水素、ターゲット周りにTPC,ビーム下流に荷電粒子スペクトロメーターを置いたセットアップで取ったデータの解析を進めている。標的を水素にすることによって、反応はγp→Θ^+K-π+→K^<O>pK-π+となる。よって、KOをTPCで検出した条件下で、フェルミ補正のないK-π+の欠損質量分布を調べることで、Θ^のK^<O>p崩壊モードの探索を行う事ができる。これまでの、実験結果を統一的に解釈するためには、Θ^+の生成過程の理解は必要不可欠な状況となっているが、この反応でのΘ^+が確認されれば、議論の渦中にあるΘ^+の生成過程にも、大きな制限を加えることが可能となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Spin-Density Matrix Elements for $¥gamma p ¥to K^{*0} ¥Sigma ^+$ at $E_¥gamma=1.85-3.0$ GeV with Evidence for the $¥kappa(800)$ Meson Exchange2012

    • 著者名/発表者名
      S.H.Hwang, et al
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett

      巻: 108 ページ: 092001-092005

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.108.092001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in p+p and Au+Au collisions at sqrt(s_NN)=200 GeV2011

    • 著者名/発表者名
      A.Adare, et al
    • 雑誌名

      Phys.Rev.C

      巻: 83 ページ: 044912-044927

    • DOI

      10.1103/PhysRevC.83.044912

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of $¥omega$ mesons in $p+p$, d+Au, Cu+Cu, and Au+Au collisions at $¥sqrt{s_NN}=200$ GeV2011

    • 著者名/発表者名
      A.Adare, et al
    • 雑誌名

      Phys.Rev.C84

      巻: 84 ページ: 044902-0449012

    • DOI

      10.1103/PhysRevC.84.044902

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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