研究概要 |
本年度の研究の成果について(1)マテリアルフローコスト会計のアクションリサーチの実施、(2)マテリアルフローコスト会計と管理可能性についての研究、(3)マテリアルフローコスト会計と資源管理実践との関係の3つの点からまとめることができる。(1)まず一つ目に関して、前年度から実施してきたマテリアルフローコスト会計の導入に関するアクションリサーチは、対象企業である日本電気化学で今年度、塗装工程で導入を行った。今年度は導入の技術的な成否への視点ばかりではなく,手法を通じた会計知識の構築の視点を踏まえ,前年度よりも分析を深めることができた。前年度までのアクションリサーチの成果は『環境管理』に掲載されている。この点は研究計画にある導入段階に応じた意思決定モデルの構築に関連する研究内容となっている。(2)つぎにマテリアルフローコスト会計と管理可能性の関係について、アクションリサーチと並行してさまざまな導入企業へのフィールドリサーチなどを勘案したうえでロス削減のマネジメントの問題を考察している。この研究成果の一部は『社会関連会計研究』に掲載された。(3)最後にマテリアルフローコスト会計を通じた組織実践の変化として、資源管理活動の拡張について分析を行った。組織間でのマテリアルフローコスト会計の利用を行っているサンデンへのリサーチを通じて、資源管理実践の拡張のプロセスとそのときのマテリアルフローコスト会計の役割を明らかとした。この研究の成果は『原価計算研究』に掲載受理されている。
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