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2010 年度 実績報告書

表面・界面を利用した低次元有機・無機複合物質の革新的機能の創出

研究課題

研究課題/領域番号 09J05491
研究機関東北大学

研究代表者

井口 弘章  東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード擬一次元ハロゲン架橋金属錯体 / MMX錯体 / 固体電気化学 / 吸脱着 / 電子状態 / ^<129>Iメスバウアースペクトル / 国際研究者交流 / オーストラリア
研究概要

1.MMX錯体の固体電気化学測定による酸化還元挙動の解明
当研究者らは、MMX型擬一次元ハロゲン架橋金属錯体(MMX錯体)の中でも、pop(=P_2O_5H_2^<2->)配位子と2種類の対カチオンを有する錯体K_2(H_3NC_3H_6NH_3)[Pt_2(pop)_4I]・4H_2O(1・4H_2O)が、可逆的に水分子を吸脱着し、その物性が変化することを以前に報告した。この吸脱着能は、結晶内の一次元空孔における壁(鎖状分子)と水分子との間に化学的な相互作用があることに由来しており、この一次元空孔内の界面における相互作用を他の分子やイオンへと適応する可能性を探索するため、MMX錯体として初めて固体電気化学測定を行った。この錯体の還元反応は化学的に非可逆であり、電解質のサイズが大きくなるほど還元電位が低くなり、挿入が起こりにくいことを明らかにした。一方、錯体の酸化反応は化学的にはほぼ可逆であり、対カチオンが酸化に伴って脱離し、再還元の際には溶液中の電解質が空いたサイトに取り込まれることを示した。この電解質がテトラブチルアンモニウムイオンのように嵩高い場合には、再還元が起こらないことを明らかにした。脱水状態(1)では溶液への溶解性が増大してしまうために、可逆的な酸化還元挙動を得ることはできなかったが、このような固体中における電気化学的手法が、導電性の錯体の機能化に有用である可能性を示すことができた。
2.MMX錯体の^<129>Iメスバウアースペクトルの測定による電子状態変化の解明
上記含水錯体1・4H_2O及び脱水錯体1の電子状態を^<129>Iメスバウアースペクトルの測定によって明らかにした。脱水によってヨウ化物イオンは2種類から1種類へと変化したことから、脱水による構造及び電子状態の変化は、結晶全体に渡って起こっていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ナフタレンジイミド誘導体と擬一次元臭素架橋鉛錯体からなる分子性導体の物性と電子状態2010

    • 著者名/発表者名
      井口弘章、高石慎也、久保和也、宮坂等、山下正廣、山本貴、田中久暁、黒田新一、田嶋陽子、加藤礼三
    • 学会等名
      日本物理学会平成22年度秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-23

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公開日: 2012-07-19  

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