研究概要 |
1.C.merolaeのtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼの取得とその活性の解析 出芽酵母ゲノムとの相同性検索によって見出されたC.merolaeのtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼ遺伝子候補であるCmSen2,CmSen 34,CmSen 54から各タンパク質を大腸菌を宿主にして産生させる試みを行った。様々な培養条件を試みた結果、低温培養によりCmSen2、CmSen34が可溶性のタンパク質として得られた。これらのタンパク質を精製し、基質RNAと混合したが、エンドヌクレアーゼ活性は検出されなかった。 複数のサブユニットを同時に発現させることにより活性型タンパク質の取得が成功した例が報告されているため、3種のCmSenサブユニットを同時に発現させるために単一のプラスミド上に3種のCmSenをクローニングしたプラスミドを作成し、同時発現系を構築した。その結果、3種ともに可溶性のタンパク質として得られたが、CmSen54の発現量が低く、引き続き発現の条件検討を行っている。 2.酵母Two-Hybrid法によるエンドヌクレアーゼサブユニットに相互作用するタンパク質の探索 酵母Two-Hybrid法により、CmSen2,CmSen34,CmSen54のそれぞれをbaitにして、相互作用するタンパク質を探索した。その結果、CmSen2をbaitにした場合、Cmsen54との相互作用が示唆された。この結果は、3つのサブユニットが会合して機能している可能性を支持する。出芽酵母では、上述の3つに加えてもう1つのSen 15がtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼのサブユニットであるが、C.merolaeの配列の相同性からはSen15は見いだせなかった。本解析により、機能的にSen15に相当するタンパク質が同定できることを期待して解析を続けている。
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