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2010 年度 実績報告書

初期生殖細胞を制御するRNA蛋白質複合体の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 09J05542
研究機関京都大学

研究代表者

荒牧 伸弥  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード始原生殖細胞(PGC) / RNA結合蛋白質 / blimp1 / stella / germ cell competence / マウスエピブラスト / マウス胚 / 細胞分化
研究概要

今年度は、Wnt3が、どの下流のシグナル伝達経路を介してGCを与えているかの検証を中心に研究を遂行した。これまでの知見からWnt3が細胞内で安定化するシグナルエフェクターにはsmadとβ-cateninがあるため、これらが下流にシグナルを伝達してGCを与えている可能性が考えられる。そこでまずWnt3欠損型ES細胞を用いたin vitroでの生殖細胞の誘導系において、BMP4刺激により起こるsmad1(5)の活性化(=リン酸化)および直接の標的遺伝子であるID遺伝子の発現を検証したが、野生型との差は見られなかった。このためGC獲得において、Wnt3がsmadの安定化には寄与していないことが示された。次にもう一つの候補因子であるβ-cateninについて検証をしたところWnt3欠損型では核内のβ-cateninの量が野生型に比べて減少していることが生化学的手法により明らかになった。またβ-cateninを欠損したエピブラスおよびES細胞の生殖細胞分化能を検証したところこれらからは生殖細胞が発生せず、GCが決失していることが明らかになった。これらの結果からβ-cateninがGCの獲得に必須であり、Wnt3によるβ-catenin安定化がGC獲得に寄与している可能性が示唆された。次にGC獲得におけるβ-cateninの十分性を検証するためGSK3によるリン酸化に耐性を示すβ-cateninの発現がWnt3欠損型のGCを回復させるかどうかを検証した。その結果Wnt3欠損型のES細胞を用いた生殖細胞の分化誘導系において前述のGSK3耐性β-cateninを強制発現するとリコンビナントWnt3aを用いたときと同程度に生殖細胞の発生が回復した。このことからGC獲得においてβ-cateninが十分性を持っていることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.med.kyoto-u.ac.jp/J/grad_school/introduction/1103/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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