• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ヒラメ・カレイの左右非対称性形成の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09J06155
研究機関東北大学

研究代表者

鷲尾 洋平  東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード左右非対称性形成 / pitx2 / pax6 / gch2 / 変態 / 手網核 / 黒色素胞 / 異体類
研究概要

これまでに薬剤を用いた遺伝子機能抑制実験により異体類における左手綱核pax6b発現はNoda1経路依存的に発現の誘導や維持が行われていると予想した。他魚種におけるpitx2、pax6のパラログを検索し発現動態を観察したところ変態期のゼブラフィッシュでは左右非対称なpitx2とpax6の発現は観察されなかったが、メダカやトラフグなど数種では異体類と類似した発現パターンが検出された。よって幾つかの硬骨魚類ではNoda1経路遺伝子の他に下流因子であるpax6も手綱核の機能的左右非対称性形成に関与する可能性が高いと予想した。一方異体類では変態期の左手綱核特異的なpitx2発現が抑制されると最終的な眼位定位方向がランダム化する。硬骨魚類に共通な脳の機能的左右差形成機構が進化の過程で一部変化することで、異体類特有な脳組織と頭部の形態的な左右非対称性形成機構が獲得されたものと推定している。
異体類の左右非対称な着色状態は両眼が位置する体側のみに成魚型黒色素胞が分布することによって形成される。これまでに変態前期に膜鰭基部において色素胞前駆細胞が両側的に存在している事が示されていたがその後の分化や移動、増殖過程などは不明であった。黒色素と黄色素の生合成必須補酵素遺伝子gch2の発現を精査したところ、成魚型色素胞の出現前から真皮層基底部および筋節中隔において将来の有眼側のみにgch2陽性細胞が分布していた。またgch2陽性細胞の一部はBrdU取り込み陽性であり、増殖能を有していた。異体類は与える餌料種によって着色の多寡が変化するが、成魚型黒色素胞を100%欠損する飼育区の仔魚ではgch2陽性細胞は真皮層にも筋節中隔にも出現しなかった。これらの結果から増殖能を有した成魚型色素胞前駆細胞は体表のみならず体幹の内部にも存在し、その分布に従って有眼側のみに成熟した色素胞が分布するものと推定される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Staging of initial pepsinogen and chitinase expression and complete gastric gland development within the larval stomach of Japanese flounder, spotted halibut, seven-band grouper and greater amberjack2011

    • 著者名/発表者名
      Xiaoming Wu/Youhei Washio, et al
    • 雑誌名

      Aquaculture

      巻: 314 ページ: 165-172

    • DOI

      doi:10.1016/j.aquaculture.2011.02.002

    • 査読あり
  • [学会発表] 異体類の成体型色素胞前駆細胞の左右非対称な出現パターン2012

    • 著者名/発表者名
      鷲尾洋平
    • 学会等名
      日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学品川キャンパス
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] オキシダント処理海水によってヒラメの体色と皮膚構造の左右差形成は阻害される2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾洋平
    • 学会等名
      日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2011-09-29
  • [学会発表] Analysis on the relationship between asymmetric expression of pax6 in the habenulae and the Nodal pathway in flounder2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾洋平
    • 学会等名
      日本発生生物学会第44回大会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-05-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi