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2011 年度 実績報告書

韻律制御および知覚特性を反映した数理モデルに基づく英語学習者音声の客観評価

研究課題

研究課題/領域番号 09J06162
研究機関早稲田大学

研究代表者

中村 静  早稲田大学, 国際情報通信研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード英語学習者音声 / 客観評価 / 韻律制御 / 知覚特性
研究概要

本研究は,学習者の英語音声の韻律的側面,とくにリズムの制御能力を,英語教師による主観評価に代わって客観評価する計算機モデルを構築することを目指す.韻律的な情報を伝える3つの要素である,音声の長さ,大きさ,高さの変化について,学習者の制御特性と英語教師の評価特性の両面から多角的に分析する.それらの結果を組み合わせて,英語教師による主観評価を高い精度で模擬する客観評価モデルを構築し,試用実験によってその有効性を確かめる.本年度は,日本語音声と比較して英語音声のリズムを特徴づける,強勢のある音節(強音節)とない音節(弱音節)の持続時間の対比に焦点を当て,以下の成果を得た.まず,強音節と弱音節の持続時間の対比の特徴を利用した客観評価モデルの構築を試みた.学習者音声の習熟度をより的確に表現する評価尺度を検討した結果,強音節を中心に前後に隣接した弱音節の半分ずつが連結して構成するリズム区分を設定し,その区分内で計測した比率を話者内で平均したものが有効であることが判明した.次に,英語音声のリズムの評価では,学習者の習熟度の表れ方や評価者の評価の正確さは,用いる検査文の特性に依存することから,より的確に学習者の習熟度を評価するための検査文の必要条件について検討した.必要条件の単位には,強音節と弱音節との繰り返しによる英語のリズムの中でよく知覚される強音節の特性に着目して,検査文1文に含まれる強音節の個数を用いた.学習者による発話や評価者による評価が緻密になされる範囲内で行った分析により,検査文1文に強音節が3個含まれることが,リズムの評価に有効な検査文の必要条件であることが明らかとなった.本年度に得られた結果では,評価の尺度や対象を考慮することにより,より高い精度で主観評価を模擬する客観評価モデルの構築が可能となることが示された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 英語学習者音声のリズムの評価のためのテキストの要件の設定2011

    • 著者名/発表者名
      中村静, 匂坂芳典
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院国際情報通信研究科紀要

      ページ: 44-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristics of contrast between the stressed and the unstressed in rhythm units observed in duration structure in English speech by Japanese learners2011

    • 著者名/発表者名
      Shizuka Nakamura
    • 雑誌名

      J.Pan-Pacific Association of Applied Linguistics

      巻: 15(1) ページ: 207-219

    • 査読あり
  • [学会発表] A requirement of texts for evaluation of rhythm in English speech by learners2011

    • 著者名/発表者名
      Shizuka Nakamura, Yoshinori Sagisaka
    • 学会等名
      International Congress of Phonetic Sciences
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      2011-08-20

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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