研究概要 |
遷移金属酸化物において発現する電界誘起抵抗スイッチングの動作機構を極微ナノワイヤを用いて局所制限空間における物性を評価することによって解明する.これによって産業応用上,重要となるデバイスの最適化指針の提唱を行うことを目的としている.実際にはナノスケール基板としてのMgOコアナノワイヤ上にレーザMBE法を用いて原子層レベルで機能性酸化物シェル層(NiO)を制御形成することで、従来達成し得なかった極微NiOナノ構造体を作製・評価し,さらにデバイス応用構造としてMgO/Fe_3O_4/NiOヘテロナノワイヤ構造を作製した.具体的な研究成果は ・基礎物性評価構造MgO/NiOヘテロナノワイヤのin-situ構造制御 ・高次制御ナノ構造MgO/Fe_3O_4/NiOヘテロナノワイヤのin-titu構造制御 ・単一ヘテロナノワイヤの物性評価のための液中分散とナノ電極架橋 ・単一ヘテロナノワイヤにおけるスイッチング動作の観測 ・駆動時の化学反応過程の解析ための雰囲気変調測定環境の構築 ・雰囲気変調と単一ヘテロナノワイヤを用いたスイッチング動作機構の評価 について成功した. 以上の成果によりVLSボトムアップヘテロナノワイヤという独自のアプローチを用いて酸化物材料という微細加工が困難な材料において10nmスケールサイズを実現し,未だ未解明な電界誘起抵抗スイッチングの動作機構の本質に迫る物理的な知見を得ることに成功した.
|