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2009 年度 実績報告書

児童期における談話の発達:身振りと発話による検討

研究課題

研究課題/領域番号 09J06369
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

関根 和生  国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 特別研究員PD

キーワード身振り / 談話 / 児童期 / ナラティブ
研究概要

本研究の目的は,身振りは幼児期から発話生成に影響を及ぼしているのか,また,身振りの使用が言語発達と共にどのように変化するのか,ということを実証的に検討することである。この目的を遂行するため,初年度は,以下の3点の研究活動を行った。
第一に,先行研究を整理することで,身振りの発達モデルを構築した。児童期には,談話知識が学習される。それと平行して談話の結束性を維持するために自発的身振りが利用されるようになると考えられる。これらのモデルと予備調査の結果を国際学会で発表した(International Conference of Multimode, France)。
第二に,上記のモデルをもとにデータの収集と分析を行った。結果として,12歳頃から身振りの頻度が増加し,物語内の人物参照のために身振りを使用するようになることが明らかにされた。以上の知見をまとめ,Journal of Applied Psycholinguisticsに投稿した。
第三に,小学校の教室内コミュニケーションを観察し,談話構築のための教師の指導とそれに対する児童の反応を調べた。これらのデータは,現在分析中であり自然文脈下での身振りの使用を観察することが期待される。
以上のことから,児童期後半から,談話知識とともに,人物参照のための身振りが出現することが明らかになった。この知見は,談話構築がマルチモーダルに達成されていることを明らかにするデータであり,これまで言語を中心に分析をしてきた談話研究に新たな視点を提供するものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 幼児期における発話産出に寄与する身振りの役割2010

    • 著者名/発表者名
      関根和生
    • 雑誌名

      質的心理学研究 9

      ページ: 115-132

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サッカーにおける身体の観察可能性の調整と利用の微視的分析2010

    • 著者名/発表者名
      高梨克也
    • 雑誌名

      認知科学 17

      ページ: 236-240

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 聞き手による身振りの符号化:方向情報の伝達と受容2009

    • 著者名/発表者名
      関根和生
    • 雑誌名

      生涯発達心理学研究 1

      ページ: 31-40

    • 査読あり
  • [学会発表] 言葉を補う身振りの性質2010

    • 著者名/発表者名
      関根和生
    • 学会等名
      言葉を補う身振りの性質
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫)
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] The development of gestural tracking reference in Japanese school-aged children2009

    • 著者名/発表者名
      Sekine Kazuki
    • 学会等名
      International Conference of Multimode
    • 発表場所
      フランス(トゥールーズ)
    • 年月日
      2009-06-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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