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2011 年度 実績報告書

共通揺動外力による非線形素子のコヒーレンスと神経細胞ネットワークでの同期の制御

研究課題

研究課題/領域番号 09J06640
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

新井 賢亮  独立行政法人理化学研究所, 脳回路機能理論研究チーム, 特別研究員(PD)

キーワード多細胞記録 / 運動野 / cell assembly / trial variability / 振動子 / ノイズ / 強化学習
研究概要

レバー押しタスク中のラットの運動野からの多細胞記録した細胞のレバー保持期間中の活動を解析した。結果として保持期間中500ミリ秒の活動のトライアル毎の揺らぎの大きさで細胞を分類すると2つの郡に分けられる事が明らかになった。一つの郡はスパイク数の分布がおおよそポワソン過程と考えて良い郡と、もう一つはそれ以上の揺らぎを持つプロセスから生成されている郡があると考えられる。この大きな揺らぎは二値の違うポワソン過程の重ね合わせ(平均発火率がLO,HI状態をとる)と考える事ができる。更に二値の活動を持つ細胞同士はお互いの状態遷移の相関の絶対値が高い事もわかった。即ちトライアル毎、毎回同じ行動をとっていると思われる動物でも、脳内では毎回違う細胞集団が活動していて、集団の数もペア毎相関の分布から考えて3~5個くらいと考えられる。何故集団が出来るのかは定かでは無いが、解析によると細胞の約1割程が前回のトライアルで報酬が貰えたか否かによって今トライアルの平均発火率が強く相関している事が明らかになった。また、ラットが報酬を貰えているトライアルは全体の3~6割くらいと、まだタスクで報酬を得られるための条件を試行錯誤で解明しようとしている状態と考えられる。これを踏まえると、この細胞集団は試行錯誤を介しての学習過程の運動野の活動の自己組織化ではないかと考えられる。この可能性においては「今後の研究の推進方策」について詳しく述べる。
海外の研究者との共同研究において、振動子集団の共通ノイズによる同期現象を引き起こす最適なダイナミクス(位相応答曲線)の解明は完成した。求められた位相応答曲線は実験的に求められたウミウシの眼の位相応答と良く似ており、ウミウシの眼での情報処理は複数の細胞間の同期、または刺激に対して信頼性の高い応答を実現する為にこのダイナミクスになっていると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Optimal phase response curves for stochastic synchronization of limit-cycle oscillators by common Poisson noise2011

    • 著者名/発表者名
      S.Hata, K.Arai, R.Galan, H.Nakao
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 84 ページ: 016229-1-016229-10

    • DOI

      10.1103/PhysRevE.84.016229

    • 査読あり
  • [学会発表] Organization of activity in M1 during voluntary movement in rat2011

    • 著者名/発表者名
      K.Arai, E.Takakuda, T.Takekawa, Y.Isomura, T.Fukai
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 2011
    • 発表場所
      Washington DC, USA(口頭発表)
    • 年月日
      2011-11-13
  • [学会発表] Degree of locking to network activity of neurons with similar movement tuning in the motor cortex of awake, behaving rats differs by layer2011

    • 著者名/発表者名
      K.Arai, E.Takakuda, T.Takekawa, Y.Isomura, T.Fukai
    • 学会等名
      Computational Neuroscience CNS 2011
    • 発表場所
      Stockholm, Sweden
    • 年月日
      2011-07-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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