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2010 年度 実績報告書

トーラスプラズマ合体実験を用いた磁気リコネクションの粒子加速・加熱機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09J06762
研究機関東京大学

研究代表者

林 由記  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードプラズマ / 磁気リコネクション / 核融合 / プラズマ加熱 / プラズモイド
研究概要

磁化プラズマ中で磁力線がつなぎ変わる現象を磁気リコネクションと呼ぶ.磁気リコネクションは太陽コロナ,地球磁気圏といった宇宙プラズマからトカマク等の磁気閉じ込め核融合プラズマで共通してみられる現象であるが,定常の磁気流体モデルでは説明できない高速な磁気リコネクションや磁気エネルギーの熱的・力学的エネルギーへの変換過程がまだ十分に明らかになっていない.
磁気リコネクションによる短時間での磁気エネルギーの開放は核融合プラズマにおける加熱への応用として,二つのトーラスプラズマを合体させる手法がある.本研究で用いたTS-4装置ではこのトーラス合体により磁気リコネクションを発生させることができる.外部のコイルにより磁場をコントロールすることで,磁力線のつなぎ変わる角度や周囲の磁場配位を換え,磁気リコネクションの発生を検証した.特に磁力線のつなぎ変わる拡散領域付近を詳細に調べるために,高分解能の磁気プローブを製作した.
従来はこの様な高速リコネクションは局所的な不安定性などによる異常抵抗が原因と考えられてきたが,本研究では異常抵抗ではなく磁場,密度の非定常性が原因であることを明らかにした.この密度の非定常性をSweet-Parkerモデルに加えることでリコネクション速度を定量的に説明した.この研究成果は非定常性による磁気リコネクションの高速化を定量的に示したもので,非定常効果の重要性を初めて明かにした.非定常性の最も大きい場合として太陽フレアのようなプラズモイド放出現象を初めて実験室で再現し,高速化との関連性を明かにした,また太陽観測グループとの共同研究も行い,観測によって明かになった太陽彩層での磁気リコネクション現象の再現実験を行った.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Impulsive magnetic reconnection by mass pile-up and current sheet ejection in TS-4 merging experiment (1)2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Hayashi
    • 学会等名
      US-JAPAN workshop on Magnetic Reconnection 2010
    • 発表場所
      奈良日航ホテル
    • 年月日
      20101206-20101209
  • [学会発表] Experimental Simulation of Magnetic Reconnection in the Sunspot Light Bridge2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Hayashi, Hiroshi Tanabe, Michiaki Inomoto, Yasushi Ono, Toshifumi Shimizu, Shinsuke Imada, Naoto Nishizuka
    • 学会等名
      52nd Annual Meeting of the APS Division of Plasma Physics
    • 発表場所
      アメリカ合衆国, シカゴ
    • 年月日
      2010-11-09
  • [学会発表] Experimental simulations of Solar Coronal Dynamics in TS-42010

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Hayashi, Toru Ii, Michiaki Inomoto, Yasushi Ono
    • 学会等名
      Center of Magnetic Self-Organization General Meeting
    • 発表場所
      アメリカ合衆国, スワルスモア
    • 年月日
      2010-06-19
  • [学会発表] プラズモイド放出による高速磁気リコネクション実験2010

    • 著者名/発表者名
      林由記, 伊井亨, 井通暁, 小野靖
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      千葉, 幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2010-05-25
  • [備考]

    • URL

      http://tanuki.t.u-tokyo.acjp/J-CMSO/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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