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GRWD1(glutamate-rich WD40 repeat domain 1)は、複製開始の細胞周期制御において中心的な役割を担っているCdt1の新規結合タンパク質として同定された因子である。本研究の目的は、アフリカツメガエル卵抽出液系とヒト細胞系との二種類の系を用いて、この因子の機能を統合的に解明することである。
卵抽出液系においては、アフリカツメガエルGRWD1(XGRWD1)のcDNAをクローニングし、XGRWD1に対する特異的抗体の作製を行った。次年度は、この抗体を用いてimmunodepletionを行い、ライセンシング因子のクロマチン結合に影響が出るのか、あるいはDNA複製に影響が出るのか等を調べたい。そして、これらの実験でリコンビナントXGRWD1を添加することで、得られた結果がレスキューされるのかも調べたい。またin vitroにおいて、XGRWD1はアフリカツメガエルCdt1あるいはCdc6と直接結合することが示された。この結果は、ヒト細胞で得られた結果と一致する。
また、ヒト細胞系では、ChIP assay(クロマチン免疫沈降法)により、ヒトGRWD1(hGRWD1)のクロマチンへの結合を検討した。この結果、hGRWD1は複製オリジンに結合し、G1期にその結合量が著しく増加するという大変興味深い結果が得られた。このような結合パターンは、ライセンシング因子のパターンと酷似しており、GRWD1がライセンス補助因子である可能性が示唆された。今後は、ライセンシング因子のoriginへの集積が、GRWD1 siRNAによって低下するのかを調べたい。さらに、Cdt1 siRNAにより、GRWD1のoriginへの結合量が低下するのかも調べたい。
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