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2010 年度 実績報告書

複製開始及び染色体分配制御に関与する新規ヒストン結合蛋白質GRWD1の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09J07233
研究機関九州大学

研究代表者

杉本 のぞみ  九州大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(PD)

キーワードGRWD1 / Cdt1 / DNA複製 / CDC6 / アフリカツメガエル卵抽出液 / 細胞周期
研究概要

GRWD1(glutamate-rich WD40 repeat domain 1)は、複製開始の細胞周期制御において中心的な役割を担っているCdt1の新規結合タンパク質として同定された因子である。この因子の機能解明を目的とし、研究を行っている。
ChIP assay(クロマチン免疫沈降法)により、ヒトGRWD1のクロマチンへの結合を検討した。その結果、GRWD1は複製オリジンに結合し、G1期にその結合量が著しく増加した。このような結合パターンは、ライセンシング因子のパターンと酷似しており、GRWD1がライセンス補助因子である可能性が示唆された。また、siRNA法を用いてCdt1の発現を抑制させ、ChIP assayを行ったところ、GRWD1の複製オリジンへの結合が低下した。一方、Cdt1過剰発現細胞を用いてChIP assayを行ったところ、GRWD1の複製オリジンへの結合が増加した。これらの結果は、GRWD1はCdt1依存的に複製オリジンに結合することを示唆している。今後は、ライセンシング因子の複製オリジンへの集積が、GRWD1 siRNAによって低下するのかを調べたい。さらに、CDC6 siRNAにより、GRWD1の複製オリジンへの結合量が影響を受けるのかも調べたい。
GRWDIが内部に持つWD40ドメインは、ヒストンシャペロンであるCAF1と相同性が高い。また、酸性アミノ酸に富むドメインも持つが、既知のヒストンシャペロンは酸性アミノ酸領域を持つことが多いことから、GRWD1は新規ヒストンシャペロンではないかとの仮説をたて、検証を進めている。その結果、GRWD1はヒストンと結合し、その結合には酸性アミノ酸領域が必要であること、およびmononucleosome assembly assayにより、ヒストンシャペロン様活性を持つことが示された。今後、更なる解析を重ね、GRWD1が新規ヒストンシャペロンであることの確証を得たい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] CDC6 interaction with ATR regulates activation of a replication checkpoint in higher eukaryotic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Kazumasa Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: Vol.123 ページ: 225-235

    • 査読あり
  • [学会発表] Achromatin remodeler SNF2H promotes pre-RC formation via Cdt1 Interaction2010

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Sugimoto
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会・合同大会)
    • 発表場所
      (神戸ポートアイランド)兵庫県
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] Achromatin remodeler SNF2H promotes pre-RC formation via Cdt1 interaction2010

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Sugimoto
    • 学会等名
      九州大学P&P超高次複合体解析に基づくゲノム動態研究プロジェクト
    • 発表場所
      (かんぽの宿山鹿)熊本県
    • 年月日
      2010-09-01

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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