研究概要 |
<研究目的> TDP-43の喪失による核内小体の機能異常が運動神経細胞死に関わっている,との仮説を検証するため,(1)培養細胞系におけるTDP-43喪失による核内小体の形態(2)患者組織における核内小体の形態,について検討する. <研究成果> HeLa細胞の内在性TDP-43の発現を,siRNAを用いて抑制し,免疫蛍光組織化学法を用い核内小体(SMN小体)の数を検討した.核内小体の数は共焦点レーザー顕微鏡にて立体的に構築し,数および面積を,IMARISを用いて定量的に解析した.結果,内在性TDP-43の発現を抑制することにより,HeLa細胞のSMN小体の数が減少した.今後は,当初の予定であるNSC-34細胞を用いて同様の解析を行う. また,TDP-43変異を有する家族性ALS,弧発性ALS患者の残存神経細胞を対象にSMN小体の数を検討したところ,いずれにおいてもSMN小体の数が減少していた.今後は,他の運動神経を冒す疾患,具体的にはSOD1変異を伴うFALS,球脊髄性筋萎縮症,マチャドジョセフ病に関して同様の解析を行い,ALSにおける本現象の特異性を検討する.
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