平成21年度フランス国立特別研究院において、オギュスタン・ベルク教授に研究指導の委託を行った。まず、2009年4月から10月にかけてフランスの行政による中間団体の位置づけに関して文献から明らかにした。本研究の概要に関して、4月に、イギリス・ニューカッスルにて行われたPlanning Research Conference 2009において、また、9月には中国・広州のSixteenth International Seminar on Urban Formにおいて、口頭発表を行った。また、4月にグルノーブルにおいて、遺産と開発アソシアシオンのヒアリング及び資料収集調査を行った。その調査結果に関しては、9月の日本建築学会大会(東北)において、口頭発表を行い、またそれは査読付き論文として都市計画論文集に採録された。更に、11月のオランダ・デルフトにおける4th Conference of International Forum on Urbanismにおいて、ポスターセッションで発表を行った。7月から8月にかけては、日本における中間団体の実態を明らかにした。並行して、10月までの期間で、古きパリ委員会のヒアリング及び文献収集の調査も行い、古きパリ委員会の中間団体としての活動について明らかにした。その成果は、住宅総合研究財団研究論文集に査読付き共著論文として採録が決定している。11月から3月にかけては、パリ市等フランスの行政へのヒアリングを通じて、中間団体に与えられている活動の場とその権限を明らかにした。古きパリ委員会について、パリ市において資料収集を行い、研究結果をまとめ、日本建築学会計画系論文集に査読付き論文タイトル投稿・審査中である。フランスの都市保全について、中間団体の活動という新たな視点を与える萌芽的研究として、大きな成果が挙げられたと考えられる。
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