研究課題
プラズマエッチングプロセス中の表面反応過程を解明するためには、プラズマから基板に照射されるイオン・ラジカル・紫外光などの活性種をモニタリングすることが重要です。特に、イオンは基板表面に形成されるシースによって加速され、基板に入射する。MEMSデバイスでは、基板の表面形状サイズがシース長と同程度となるため、シースが基板表面に沿った形となりイオンの入射軌道が曲がり、ホールが斜めにエッチングされてしまうといったマクロな形状異常が発生してしまう。この問題を解決するためには、実際の基板に入射するイオンの情報から、基板形状に沿ったイオン軌道の予測を行うことが必要である。基板上のイオン情報を得る技術として、オンウェハプローブを開発した。オンウェハプローブは、シリコン基板上に電極と絶縁膜で形成されており、プラズマ照射中の電流・電圧特性を測定することができる。この電流・電圧特性から、シース長を求めることができる。これらの値から、基板形状に沿ったシース形状が予測でき、イオン軌道の予測に成功した。オンウェハプローブ測定に基づいたイオン軌道の予測は、基板上で測定することにより、実際のプラズマ状態を反映することができる。この技術は、エッチングプロセス中のマクロな形状異常の発生メカニズムを明らかにするという点において学術的意義があり、同時にプラズマ形状予測にも貢献することにより産業応用的にも意義あるものである。
すべて 2010
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Journal of Physics D : Applied Physics
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