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2012 年度 実績報告書

歯周病における免疫調節因子としてのAdrenomedullinの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09J08021
研究機関徳島大学

研究代表者

細川 育子  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特別研究員(PD)

キーワード歯周炎 / Th17細胞 / Adrenomedullin / ナイーブT細胞
研究概要

近年、ヘルパーT細胞サブセットであるTh17細胞の存在が明らかにされ、Th17細胞が産生するIL-17Aが関節リウマチなどの炎症性疾患における骨吸収に関与していることが報告されている。また、歯周炎病態形成においてもTh17細胞の関与が示唆されており、病変局所においてTh17細胞の分化や増殖を制御するサイトカインの存在も明らかにされている。一方、Adrenomedullin(AM)は、近年、抗炎症作用をもった内在性の免疫調節因子として作用することが報告されている。しかしながら、AMがTh17細胞の免疫応答にどのように関与しているのか未だ明らかにされていない。
Th17細胞は、IL。17Aを産生し、TGF-βとIL-6によってナイーブCD4^+T細胞から分化誘導され、IL-1βやIL-23がその増殖や生存に重要な役割を果たしている。また、Th17細胞の分化にはオーファン核内受容体であるROR-γtや転写因子であるSTAT3の活性化が重要であることが知られている。そこで、今年度は、AMがTh17細胞への分化に与える影響について解析を行った。
その結果、AMがTh17細胞から産生され細胞遊走や炎症を引き起こすIL-17Aの産生、ナイーブCD4陽性T細胞からTh17細胞への分化を制御している転写因子のRORγtの発現、およびTh17細胞の分化に必須とされるSTAT3のリン酸化をAMが抑えることを見いだした。
これらのことより、AMがTh17細胞の分化や機能を抑制するということを示しており、Th17細胞が歯周炎の骨吸収に関与していることが考えられていることからも、重要かつTh17細胞の制御という新しい発想の治療法に繋がる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Tumor necrosis factor-like weak inducer of apoptosis increases CC chemokine ligand 20 production in interleukin 1β-stimulated human gingival fibroblasts.2012

    • 著者名/発表者名
      Hosokawa Y, et al.
    • 雑誌名

      Human Immuology

      巻: 73 ページ: 470-473

    • DOI

      10.1016/j.humimm.2012.02.021

    • 査読あり
  • [学会発表] The effect of adrenomedullin on human Th17 cells differentiation2012

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Hosokawa, et al.
    • 学会等名
      第60回国際歯科研究学会日本部会学術大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県)
    • 年月日
      2012-12-14
  • [学会発表] Adrenomedullinが樹状細胞のTh17細胞関連サイトカイン産生に関与するcell signalingに及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      細川育子, 他
    • 学会等名
      第137回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
    • 年月日
      2012-11-23
  • [学会発表] IL-17AはTNF-aが誘導するヒト歯肉線維芽細胞のCCL20産生を増強する2012

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      第137回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
    • 年月日
      2012-11-23
  • [学会発表] Porphyromonas gingivals感染が肝臓糖代謝に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      石川真琴, 他
    • 学会等名
      第137回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
    • 年月日
      2012-11-23
  • [学会発表] TNF-αとIL-4刺激が誘導するヒト歯肉線維芽細胞のCCL20産生に及ぼす緑茶カテキンの影響2012

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      136回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
    • 年月日
      2012-06-28
  • [学会発表] IL-22はIL-1βが誘導するヒト歯肉線維芽細胞のCCL20産生を増強する2012

    • 著者名/発表者名
      細川義隆, 他
    • 学会等名
      第55回日本歯周病学会春季学術大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2012-05-18

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公開日: 2014-07-16  

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