研究1「親の感情特性に関する青年の認知・価値づけが青年の感情特性に与える影響」本研究に使用する予定である、特別研究員が作成した感情特性尺度の信頼性、妥当性を再度確認するため、再分析を行った。その結果を論文にし、現在発達心理学研究へ投稿中である。 研究2「親・教師評定による幼児の感情特性尺度の開発」本研究の目的は、親や教師によって幼児の感情特性を評定可能な尺度の開発である。尺度項目を作成するために、幼児を子に持つ親19名に対して、自由記述形式の質問紙調査を行った。得られた自由記述の回答を集計し、KJ法を用いて記述を整理した。KJ法によって整理した記述から5感情の感情特性を測定するための項目を作成した(喜び10項目、怒り11項目、不安13項目、恥10項目、悲しみ11項目、計55項目)。その後、臨床心理学の教員、発達心理学の教員2名、保育園教諭(経験5年程度1名、15年以上1名)による妥当性の検討を経て、表現や問い方を改めた。続いて116名の幼児の母親に調査を行い、39項目から成る尺度を開発した。 研究3「感情会話を媒介した感情特性の世代間伝達に関する縦断的検討」研究3の準備としての研究2を進めると同時に、先行研究のレビューを行った。主に方法論に関する論文をレビューした。パペットインタビューを使用した研究、縦断的手法を用いた研究、母子相互作用をとらえた研究などを参考に、使用するパペット、道具(積み木)、パペットインタビューに使用するエピソード、母子相互作用に使用する紙芝居のストーリー(4話)、について詳細な検討を行い、具体的なプロトコルを決定した。本調査に先行して行った2組の母子の結果について分析を行い、論文化した。
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