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2009 年度 実績報告書

マガキにおける転写因子HIF-1αおよびHSF1を介した空気曝露耐性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09J08563
研究機関福井県立大学

研究代表者

河邉 真也  福井県立大学, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードマガキ / 空気曝露 / 低酸素 / 分子シャペロン / 転写因子 / 環境適応 / HIF-1α / HSF1
研究概要

マガキは、他の多くの水棲生物と比べて様々な環境ストレスに強い耐性を示し、特に低酸素状態に陥る空気曝露に強い耐性を示す。これは、マガキが空気に晒される潮間帯の岩礁などに生息する固着性二枚貝類であることから、遺伝的に獲得してきた能力であろう。しかし、空気曝露ストレスに応答して発現するストレス応答遺伝子群の転写レベルでの調節機構の詳細は殆どわかっていない。プロモーター領域をクローニングしたところ、空気曝露により転写誘導される分子シャペロンCRTおよびGRP94には低酸素応答エレメントHREが認められた。このことから、これら遺伝子は空気曝露の間、低酸素応答性転写因子HIF-1によってその転写レベルが調節されていることが示唆された。また、熱ショック転写因子HSF1のプロモーター領域にもHREが認められた。real-time PCR法による発現解析の結果、マガキのHSF1は転写レベルで空気曝露誘導性を備えており、8種のHSF1変異体の応答様式は各種異なることが明らかとなった。各々のHSF1変異体は、機能モチーフの構造が異なることから、遺伝子発現制御において異なる役割を担うと考えられた。また、哺乳類でHSF1によりその転写が誘導されるHSP70は、空気曝露の間、マガキにおいてはHSF1の発現以後に転写レベルで顕著に誘導されていた。また、構成型であるHSC71は、空気曝露の間、転写レベルでの誘導は認められなかった。これらの結果から、マガキの空気曝露応答機構において、HIF-HSF経路およびHSF1の新規アイソフォームを介した全く新規の空気曝露応答機構の存在が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Molecular cloning of calnexin and calreticulin in the Pacific oyster Crassostreagigas and its expression in response to air exposure2010

    • 著者名/発表者名
      S.Kawabe, Y.Yokoyama
    • 雑誌名

      Marine Genomics (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] cDNA cloning and expression of grp94 in the Pacific oyster Crassostrea gigas2009

    • 著者名/発表者名
      S.Kawabe, Y.Yokoyama
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology, Part B 154

      ページ: 290-297

    • 査読あり
  • [学会発表] マガキの空気曝露ストレス応答に関する研究VI-マガキの熱ショック転写因子HSF1の空気曝露応答性-2009

    • 著者名/発表者名
      河邉真也、横山芳博
    • 学会等名
      平成21年度日本水産学会中部支部大会
    • 発表場所
      福井県立大学小浜キャンパス(福井県)
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] マガキの空気曝露ストレス応答に関する研究V-空気曝露温度に応答した核酸関連化合物の変動-2009

    • 著者名/発表者名
      河邊真也、横山芳博
    • 学会等名
      平成21年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      いわて県民情報交流センター・アイーナ(岩手県)
    • 年月日
      2009-10-02
  • [学会発表] マガキ熱ショック転写因子HSF1の低酸素ストレス応答性2009

    • 著者名/発表者名
      河邉真也、横山芳博
    • 学会等名
      日本生化学会北陸支部第27回大会
    • 発表場所
      福井大学文京キャンパス(福井県)
    • 年月日
      2009-05-23
  • [学会発表] マガキの熱ショック転写因子HSF1のcDNAクローニングと発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      河邉真也、横山芳博
    • 学会等名
      日本分子生物学会第9回春季シンポジウム
    • 発表場所
      宮崎シーガイア(宮崎県)
    • 年月日
      2009-05-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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