• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

鉄触媒による非極性結合活性化を鍵とする新規分子変換反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09J08684
研究機関東京大学

研究代表者

松本 有正  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード鉄触媒 / 炭素-水素結合活性化 / 炭素-炭素結合形成 / 有機金属化学 / フェナントレン / 多環芳香族化合物
研究概要

本研究は,研究代表者が開発した鉄触媒とアリール亜鉛反応剤によるアリールピリジン類縁体の直接アリール化反応を基とし,鉄触媒による,より一般的な炭素-水素結合の活性化を経る反応を開発する事を目的としている.当該年度では主に不飽和結合への付加を経る炭素-水素結合活性化反応について,特にアルキンとビアリール金属試薬の反応によるフェナントレン合性反応について研究を行った.
前年度までの検討により鉄触媒存在下,アルキンとビアリールグリニャール試薬との反応によりフェナントレン誘導体が得られることを見いだしている.本年度における検討により,本反応が5員環フェラサイクル中間体を経て進行することが示唆され,その5員環フェラサイクル中間体を種々の試薬により補足することで他の有機合成への展開が可能であることを見いだした.すなわち,一酸化炭素との反応によるフルオレノン合成およびイソニトリルとの反応によるフルオレノンイミンの合成が可能であることを見いだした.
さらに本年度ではより実用的な反応条件の検討も行った.本反応は高効率かつ直接的なフェナントレン合成反応であるが,不安定なグリニャール試薬を用いる必要性があるという問題があった.本年度の検討により,このフェナントレン合成反応がグリニャール試薬を用いることなくビアリール臭化物と金属マグネシウムを用いた場合にも進行することを見いだした.これにより本反応の合成への応用が容易になった.
以上,当該年度の研究によって,普遍金属である鉄を触媒として用いた炭素-水素結合活性化による直接的な多環芳香族化合物の合成法のさらなる開発および展開を行った.これは学術的のみならず希少金属に依存しない有機合成反応の開発という点で社会的にも意義深い物である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Iron-Catalyzed Nitrogen-Directed Coupling of Arene and Aryl Bromides Mediated by Metallic Magnesium2012

    • 著者名/発表者名
      Laurean Ilies, Kotoaki Kobayashi, Arimasa Matsumoto, Naohiko Yoshikai, Eiichi Nakamura
    • 雑誌名

      Advanced Synthesis & Catalysis

      巻: 354 ページ: 593-596

    • DOI

      DOI:10.1002/adsc.201100791

    • 査読あり
  • [学会発表] Phenanthrene Synthesis via Iron-Catalyzed Annulation of Alkyne with Grignard Reagent2011

    • 著者名/発表者名
      Arimasa Matsumoto, Laurean Ilies, Eiichi Nakamura
    • 学会等名
      OMCOS16
    • 発表場所
      上海中国
    • 年月日
      20110724-20110728

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi