研究概要 |
本研究では「波形インバージョン」と呼ばれる新しい高解像度のデータ解析手法を用いてD"層内の詳細な地震波速度モデルを推定することに成功した。そして、それを最新の鉱物物理学に基づいて解釈をすることにより、核マントル境界(CMB)に新たな制約を加えた。 比較的長周期(周期8s以上)の1成分(transverse成分)データを用いて、D"層の複数の領域(中米・シベリア・北極・太平洋・西太平洋下)のS波速度構造の推定を行った。次に、第一原理計算に基づくマントル最深部の主要鉱物である珪酸塩ペロヴスカイト・ポストペロヴスカイトの弾性波速度を用いて解釈を行い、CMBの温度の最適化を行った。その結果、CMBの温度は3800±200K程度であり,また定説であったダブルクロッシングはほとんど生じていないことが判明しました。また、CMBがこの程度の温度であると,CMBを通る熱流量は地球表面からの全熱流量の約1/6(8TW)程度と見積もられた。
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