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2009 年度 実績報告書

抗争するチベット史:チベット社会論とその語りの歴史人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J09023
研究機関東京大学

研究代表者

大川 謙作  東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)

キーワードチベット / 中国 / 社会史 / 歴史の語り / 歴史人類学
研究概要

本研究は、新中国による1959年の民主改革の断行によって崩壊したダライラマ政権下のチベット旧社会の実態について明らかにしようとする試みである。初年度にあたる本年度の研究業務は大きく分けて文献研究・現地調査・成果発表である。2009年4月から9月にかけては国内にて主として文献研究に従事した。特に『蔵族社会歴史調査』(漢文、全6巻)と『チベット文史資料集成』(チベット語、25巻まで)の分析によってチベット旧社会の身分構成についての情報の整理を行った。さらに9月から2010年3月にかけては米国コロンビア大学(ニューヨーク)の現代チベット研究プログラムにGuest Researcherとして滞在し、同プログラム主任のRobert Barnett博士の指導のもとに研究を行った。またニューヨーク滞在中は他にも同地のラツェ・チベット学図書館などで資料収集を行い、さらに現在欧米で最大規模の難民コミュニティであるニューヨーク及びニュージャージーのチベット難民コミュニティ(5000から7000人規模)での現地調査も行った。この間の大きな成果としては、これまで看過されてきた旧チベット社会における外部税(phyi khralチベット政府への税)と内部税(nang khral荘園領主への税)の二重税制に存在とその相関関係をそこに含意された権力関係との関連において指摘することで、分権的な封建社会という従来のチベット旧社会の規定が修正されるべきであることを一定の説得力をもって提示することができた。なおこうした成果の一部はコロンビア大学現代チベット研究プログラムのレクチャー・シリーズの一貫として発表され(2009年11月6日)、高い評価を受けた。また2008年より継続している現代チベット文学の翻訳も行い、予定通り2本を公表することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「記憶」をもって「忘却」に対抗する-『殺劫』日本語版の出版に寄せて2010

    • 著者名/発表者名
      大川謙作
    • 雑誌名

      東方 348

      ページ: 30-33

  • [雑誌論文] 「細い道」に関するノート2009

    • 著者名/発表者名
      大川謙作
    • 雑誌名

      火鍋子 73

      ページ: 102-102

  • [学会発表] Conflicted Tibetan Histories : Representations of Tibetan Society2009

    • 著者名/発表者名
      Kensaku Okawa
    • 学会等名
      Henry Luce Modern Tibetan Studies Program Lecture Series at Columbia University
    • 発表場所
      Columbia University (New York)
    • 年月日
      2009-11-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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