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2010 年度 実績報告書

磁化の光誘起才差運動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J09382
研究機関東京工業大学

研究代表者

小林 暁  東京工業大学, 像情報工学研究所, 特別研究員(PD)

キーワード強磁性半導体 / 光誘起才差運動 / スピンポンピング効果 / 金属/半導体接合 / スピン流
研究概要

近年、スピンダイナミクスの研究は、スピンのミクロな物性からマクロな物性まで幅広く取り扱うスピントロニクス分野の発展において、もはや必要不可欠となった。平成22年度は、強磁性半導体(Ga,Mn)Asで観測される磁化の才差運動の変調に関する研究を進めた。これまでの研究で、金属/(Ga,Mn)Asにおいて才差運動の減衰係数が増加することを見出したが、Fe/(Ga,Mn)As構造において、外部磁場を印加することにより減衰係数が大きく変化(げΔα_<max>~0.2)することを見出した。単一材料においてこれほど大きく減衰係数が変化した例は本研究成果が世界初である。本研究において非常に興味深い点が2点ある。1点目は、(Ga,Mn)Asの保磁力で減衰係数が最大値をとること。2点目は、低磁場領域(|H|<4000e)では減衰係数が大きく変化するが、高磁場領域|H|>4000e)においては単膜(Ga,Mn)Asの減衰係数と同じ値を持つことである。これは、(Ga,Mn)AsとFeの磁化の相対的な配置が減衰係数の変化に大きく寄与していることを示唆している。単膜Fe層、単膜(Ga,Mn)As層の磁化曲線を比較すると、Fe層の多磁区化が通常のFe単層膜よりも強いことが認められる。
(Ga,Mn)As層からFe層へ輸送された角運動量がFe層の磁壁にエネルギーを与えることにより角運動量の散逸が強められている可能性が挙げられる。本研究成果により、単一多層膜で減衰係数を大きく変調できることが明らかになった。これは、強磁性多層膜におけり新たな磁化の制御法の一つであると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Feild-induced suppression of magnetic damping in Fe/(Ga,Mn)As junctions2010

    • 著者名/発表者名
      小林暁
    • 学会等名
      55th Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials
    • 発表場所
      アメリカ
    • 年月日
      20101114-20101118
  • [学会発表] Fe/(Ga,Mn)As接合におけるダンピング定数の磁場依存性2010

    • 著者名/発表者名
      小林暁
    • 学会等名
      日本応用物理学会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      20100914-20100917
  • [学会発表] Anomalous trend in oscillation damping in photo-induced precession in the Fe/(Ga,Mn)As system2010

    • 著者名/発表者名
      小林暁
    • 学会等名
      The 6th International Conference on the Physics and Applications of Spin Related Phenomena in Semiconductors
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100801-20100804

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公開日: 2012-07-19  

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