研究概要 |
本研究の目的はMIMOメッシュネットワークを具現化するための物理レイヤの方式を具体化し,実電波を用いた実験的解析を行うことによりMIMOメッシュネットワークの物理レイヤの設計指針を確立し,実用化に近づけることである.MIMOメッシュネットワーク構築のアルゴリズムとして,MIMOネットワーク符号もしくはMIMOビームフォーミングにより与干渉・被干渉を避けて双方向多重化通信を行う手法が考えられており,理論解析が進められている.本研究ではこれらの手法に関して物理レイヤの方式を具体化し,950MHz帯における実験的解析により伝送特性などを定量的に評価する.また各中継ノード間の同期方式を具体化しハードウェアに実装する. 2009年3月までにMIMOメッシュネットワークのプロトタイプハードウェアを完成させ,実験局免許を取得し実験基本システムを構築した.2009年5月にOFDMを用いた双方向マルチホップ中継ネットワークとネットワーク同期に関する理論研究を発表した. 2009年7月にマルチチャネル方式マルチプルアクセスおよび,ネットワーク符号を用いた中継ノード3台による双方向通信のデモンストレーションを完成させた.2009年9月にマルチプルアクセス方式にMIMOを用いる,MIMOネットワーク符号を用いた中継ノード3台による双方向通信のデモンストレーションを完成させ,MIMOメッシュネットワークの基幹技術であるTDD/TDMA双方向マルチホップ中継通信の実証実験を世界に先駆けて行った.
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