研究課題
低アスペクト比RFPプラズマ装置「RELAX」において、高い自発電流割合を実現するための高性能化、すなわち高い電子温度、電子密度、ベータ値を目的とした装置の改造を完了させた。改造項目の一つである真空容器分割用ポロイダルフランジの改良により不整磁場が減少し、それにより、RFPプラズマがヘリカルに変形するQSH(準シングルヘリシティ)状態の発生率、持続時間が上昇した。このQSH状態はRFPの高閉じ込め性能化、高ベータ化へと繋がる重要な候補である。また、他の改造項目であるサドルコイル(アクチュエータコイル4×16個、センサーコイル8×16個)の配線や、そのフィードバック制御電源の開発、初期動作実験等を他の人と共同で行った。このサドルコイルフィードバックシステムにより、不整磁場が抑制され、プラズマの安定性やベータ値が向上するものと期待される。また、電子温度、密度分布を測定するための軟X線ダブルフィルター法装置、トムソン散乱計測装置、ダブルプローブ装置、140GHz干渉計等の開発、改良を他の人と協力して遂行し、電子温度分布の時間発展、中心電子温度等の測定に成功した。これは、自発電流の評価に必要な電子温度、密度分布の測定が大きく前進したことを意味する。また、プラズマを生成、制御する種々のコイル系の回路定数を種々に調整して、RFP状態の持続時間や温度、ベータ値等が最適になるプラズマを探索した。以上のように、低アスペクト比RFPにおける自発電流値の評価と高い自発電流割合の実現に関して、本研究は大きく貢献した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
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