研究課題
平成21年は、計画していた通り、トレフォイル・ノット型酵素であるtRNA(Gm18)methyltransferase[TrmH]のRNA認識機構の解明を中心に研究を行った。(1)TrmHの基質tRNA認識メカニズムの解明TrmHによってメチル化されるG18およびその周辺に変異を導入したtRNA mutantを作製し、TrmHとの相互作用の解析を行った。その結果、今まで最小認識部位とされてきたG18G19配列は、大きく影響しているが必ずしも必要ではなく、TrmHはD-loop中のGuanine塩基を比較的Flexibleに認識していることが判った。また、このときの認識部位は6位酸素原子であると考えられる。さらに、メチル化されたtRNAはTrmH活性中心より、AdoMetとの立体障害によって排除されていることが示唆された。(2)TrmHと基質tRNA結合におけるpre-steady state kinetics統合バイオサイエンスセンターの桑島先生・真壁先生にご協力のもと、Stopped-flow蛍光分析によりpre-steady state kineticsを行った。結果、TrmH-tRNA Complexの形成は、First Binding ProcessおよびStructural Change Processを含む、少なくとも3つ以上のステップから構成されていることを証明することが出来た。(3)TrmH-tRNA ComplexのX線結晶構造解析tRNA G18をデオキシ体に変えたDNA-RNAキメラ核酸を作製した。これはTrmHと結合後、メチル化が起こらず解離反応が進まないため、TrmH活性中心と非常に強く結合していると考えられる。このようなキメラ核酸を用いて結晶化を試みたが、結晶は出たものの、TrmH単独のものであった。
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JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 285
ページ: 9018-9029
JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 284
ページ: 20467-20478