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2010 年度 実績報告書

生体分子の酸化修飾を検出する蛍光プローブの創製

研究課題

研究課題/領域番号 09J10695
研究機関東京大学

研究代表者

安保 真裕  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード蛍光プローブ / 過酸化水素 / 活性酸素種 / 生細胞イメージング
研究概要

昨年度までに、私は過酸化水素を高感度に検出することが可能な蛍光プローブNBzFの開発に成功した。そこで今年度は、その生物学応用における実用性を実証するため、生細胞から産生される過酸化水素を蛍光顕微鏡下でのイメージングによって検出できるか実験を行った。実際には、細胞材料としてRAW264.7マクロファージおよびA431ヒト類表皮がん細胞を用いた。NBzFによって染色したRAW264.7マクロファージをホルボールエステルの一種であるPMAで刺激したところ、細胞内にエンドソームの形成がみられ、その内部で蛍光シグナルが上昇する様子をイメージングすることができた。この蛍光シグナル上昇は、過酸化水素の発生源であるNADPH oxidaseの阻害剤Apocyninや過酸化水素の消去剤Ebselenで処理することで抑制されることから、過酸化水素を検出していることが確認された。A431細胞を用いた実験系は、NBzFで染色した細胞を増殖因子の一種であるEGFで刺激した。刺激を行った細胞では、細胞内の蛍光シグナルが刺激開始から20分以内に急速に増大し、過酸化水素が産生される様子がイメージングされた。以上の結果から、NBzFは複数の細胞系で問題なく機能することが示され、実用上の有用性が実証された。特にA431細胞の実験系は、過酸化水素がシグナル伝達因子として働いていると考えられている系であり、NBzFが細胞内シグナル伝達研究においても有用なツールとなることを示唆する結果である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Development of Fluorescence Probes for Hydrogen Peroxide2010

    • 著者名/発表者名
      安保真裕、浦野泰照、長野哲雄
    • 学会等名
      Pacifichem 2010
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii, USA
    • 年月日
      2010-12-19
  • [学会発表] Development of Fluorescence Probes for Hydrogen Peroxide2010

    • 著者名/発表者名
      安保真裕、浦野泰照、長野哲雄
    • 学会等名
      SFRBM 17^<th> Annual Meeting
    • 発表場所
      Orland, Florida, USA
    • 年月日
      2010-11-19
  • [学会発表] 過酸化水素検出蛍光プローブの開発2010

    • 著者名/発表者名
      安保真裕、浦野泰照、長野哲雄
    • 学会等名
      第4回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 過酸化水素検出蛍光プローブの開発2010

    • 著者名/発表者名
      安保真裕、浦野泰照、長野哲雄
    • 学会等名
      第5回ケミカルバイオロジー学会年会
    • 発表場所
      日吉
    • 年月日
      2010-05-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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