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2009 年度 実績報告書

遺伝子改変ブタ及びクローンブタを用いたトランスレーショナル・リサーチに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J10707
研究機関明治大学

研究代表者

松成 ひとみ  明治大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードブタ / クローン / 遺伝子改変 / 体細胞核移植 / 蛍光タンパク / トランスレーショナル・リサーチ / Kusabira-Orange
研究概要

我々が作出した、赤色蛍光タンパク(humanized Kusabira-Orange : huKO)を発現するトランスジェニック(tg)・クローンブタのトランスレーショナル・リサーチへの利用を最終目的として、本年度はその繁殖能力の検証ならびに後代産仔の解析を行った。huKO-tg・クローンブタ(雌)は、7ヶ月齢時に初回発情を迎え、その後19-23日の周期的な発情を示した。wild-type雄精子による人工授精(2回)で受胎し、19頭の産仔が得られたことから、繁殖能が正常であることが確認された。レトロウィルスベクターによって遺伝子導入されたtg・クローン個体(founder)は、ゲノム上の5~7箇所にhuKO遺伝子がそれぞれ1コピーずつ組み込まれていると考えられるが、後代(G1)産仔への遺伝子伝達は、メンデリズムに近い動態を示すことが明らかとなった(tg産仔率:57.9%)。このことから、導入遺伝子の多くが、同一染色体上に組み込まれている可能性が示唆された。G1産仔6頭を剖検し、脳・心臓・肺・胃・腸・肝臓・膵臓・脾臓・腎臓・膀胱・生殖器・骨格筋・軟骨・骨・皮膚・眼球の16種の臓器・組織において赤色蛍光発現を確認した。さらに系統保存を目的として、G1産仔雄の精巣上体精子の凍結保存を行い、それを用いてG2世代への遺伝子伝達(40.0%,10/25)および全身性赤色蛍光発現の継承を明らかにした。以上より、1.huKO-tg・クローンブタが正常な繁殖能力を有すること;2.クローン個体の有性生殖によって作出されたG1産仔にも外来遺伝子が安定に伝達されること;3.後代産仔にもfounderクローン世代と同様の全身性赤色蛍光発現が継承されることが明らかとなり、huKO遺伝子導入ブタの遺伝子伝達・発現に関する知見の蓄積と、系統化のための精子の凍結保存という成果が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 螢光マーカー遺伝子を組み込んだ大型動物の医学研究応用-Kusabira-Orange遺伝子導入クローンブタの特徴2009

    • 著者名/発表者名
      松成ひとみ、長嶋比呂志
    • 雑誌名

      医学のあゆみ Vol.230

      ページ: 147-151

  • [学会発表] Kusabira-Orange遺伝子導入トランスジェニッククローン(Tg-C)ブタの繁殖能力および遺伝子伝達2010

    • 著者名/発表者名
      松成ひとみ、竹内靖浩、保谷美恵、関口渓人、望月寛徳, 他7名
    • 学会等名
      日本畜産学会第112回大会
    • 発表場所
      明治大学(東京都)
    • 年月日
      2010-03-29
  • [備考] 明治大学バイオリソース研究国際クラスター

    • URL

      http://micbr.com/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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