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2010 年度 実績報告書

なぜダイニンは片足が死んでいても、正常な二足歩行ができるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 09J10824
研究機関東京大学

研究代表者

島 知弘  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワード分子モーター / 一分子計測 / 蛍光エネルギー移動 / 蛍光多色同時計測 / ゲーティング機構
研究概要

細胞質ダイニンは一分子で微小管から解離することなく長距離進行することができるモータータンパク質である。この性質を達成するためには、ダイニンは二つの頭部を協調的に運動させる必要があり、本研究はダイニンがいかにして二つの頭部を協調させているのか明らかにすることを目的としている。
本年度、私は
1.尾部を介した張力を低減させたダイニンでも、実際に二つの頭部を交互に前方へ移動させているか、あるいは両方の頭部とも微小管の中の一本のプロトフィラメント上を進行するのか
2.どのような向きで2つの頭部が並んでいるのか
という2点について調べるため、二つの頭部に異なる波長の蛍光を発する色素を結合させ、各頭部の動きを同時に高精度で追跡する、あるいは蛍光エネルギー移動(FRET)を用いて一分子内の2つの頭部管の距離を測ることを試みた。その結果、高い時間・空間分解能で2つの蛍光色素または量子ドットを追跡する顕微鏡システムのセットアップに成功し、現在、徐々に運動中の2つの頭部の振る舞いに関するデータが得られつつある。
このデータが十分量得られたならば、これまで未知であった細胞質ダイニンのステップ機構が明らかになるだけでなく、2つの頭部間での制御機構についても、どの領域を介して制御が行われているのかなど、具体的に記述することが可能になると期待される。特に2つの頭部管での制御に関しては、ダイニンが属するAAA+ファミリーには2つのAAAリングを結合させて機能するものが存在するため、ダイニン研究のみならずAAA+ファミリーの機能発現研究においても大きなインパクトを持つものと予想される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] C-sequence of the Dictyostelium cytoplasmic dynein participates in processivity modulation2011

    • 著者名/発表者名
      N.Numata, T.Shima, R.Ohkura, T.Kon, K.Sutoh
    • 雑誌名

      FEBS Letters

      巻: 585 ページ: 1185-1190

    • 査読あり
  • [学会発表] Two motor domains of cytoplasmic dynein directly interact each other2011

    • 著者名/発表者名
      T.Shima, K.Itoh, T.Kon, M.Kaya, H.Higuchi, K.Sutoh
    • 学会等名
      55th Annual meeting of the Biophysical Society
    • 発表場所
      Baltimore convention center (米国、ボルチモア)
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] The mechanism for coordination between two heads of cytoplasmic dynein2011

    • 著者名/発表者名
      T.Shima
    • 学会等名
      1st KoreaUniversity-The University of Tokyo Joint Workshop
    • 発表場所
      小柴ホール(東京都文京区)
    • 年月日
      2011-02-23
  • [学会発表] 細胞質ダイニンが二足歩行を達成するための機構2010

    • 著者名/発表者名
      島知弘
    • 学会等名
      第3回定量生物の会
    • 発表場所
      東京大学(東京都目黒区)
    • 年月日
      20101127-20101128
  • [学会発表] Two motor domains of cytoplasmic dynein directly interact each other2010

    • 著者名/発表者名
      T.Shima, T.Kon, M.Kaya, H.Higuchi, K.Sutoh
    • 学会等名
      日本生物物理学会第48回年会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2010-09-20
  • [図書] Handbook of Dynein2011

    • 著者名/発表者名
      T.Shima, K.Sutoh, T.Kon
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      Pan Stanford Publishine(掲載確定、2011年10月発行予定)
  • [備考]

    • URL

      http://nanobio.phys.s.u-tokyo.ac.jp/higuchipro/Japanese/jp_publications.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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