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2011 年度 実績報告書

ヒト15番染色体移入による自閉症モデルマウスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 09J40165
研究機関金沢大学

研究代表者

堀家 牧子  金沢大学, 学際科学実験センター, 特別研究員(RPD)

キーワード母方15q重複 / 自閉症 / 染色体移入 / 染色体ペアリング
研究概要

<ヒト15番染色体短腕領域を保持したトランスクロモソミックマウスの解析~自閉症モデルの作製>
ヒト15番染色体断片を保持したTCマウスは,ホームケージ活動量の増加,新奇物体に対する異常な興味を示したので,平成23年度はこの行動異常が何に起因するのかを明らかにするため,マイクロアレイによるマウス遺伝子の発現解析をおこなった。しかしながら,マウス遺伝子自身に顕著な発現変化を認めた遺伝子は無く,TCマウスの行動異常は移入ヒト染色体上の遺伝子の影響であることが示唆された。今回移入したヒト染色体断片上には脳機能に関わる遺伝子がいくつか存在するが,15q11-q13に位置し,父性発現を呈するHBII-52 snoRNAは,選択的スプライシングに関与し,この異常により脳神経に異常をきたす可能性が示唆されている。そこでHBII-52が関与している数種の遺伝子の選択的スプライシングのパターンを解析したところ,少なくともCRHR1遺伝子の選択的スプライシングのパターンがTCマウスで異なっていることが明らかとなった。今後は他の遺伝子の選択的スプライシングの有無を検索すると共に,CRHR1の選択的スプライシングの変化がTCマウスで見られる行動異常に関係があるのかをCRH刺激試験などを行い明らかにしていく。
<ヒト15番染色体重複のin vitroモデルの解析~遺伝子発現制御における染色体ペアリングの役割>
染色体の数的異常のin vitroモデルとして,母方ヒト15番染色体をヒトの神経系の細胞に移入した結果,遺伝子の数は増加したにもかかわらず,発現量が減少している遺伝子が存在した。そして,正常でみられるGABRB3 3'領域の相同遺伝子間のペアリングが,母方15番染色体重複モデル細胞では顕著な減少を認めた。この結果をHuman Molecular Geneticsに投稿し,アクセプトされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Neuron-specific impairment of inter-chromosomal pairing and transcription in a novel model of human 15q-duplication syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      Meguro-Horike, M.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 20 ページ: 3798-3810

    • DOI

      10.1093/hmg/ddr298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 15q11.2-13.3 chromatin analysis reveals epigenetic regulation of CHRNA7 with deficiencies in Rett and autism brain2011

    • 著者名/発表者名
      Yasui, D
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 22 ページ: 4311-4321

    • DOI

      10.1093/hmg/ddr357

    • 査読あり
  • [学会発表] 染色体ペアリングを介した遺伝子発現制御機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      目黒-堀家牧子
    • 学会等名
      第5回日本エピジェネティクス研究会年会
    • 発表場所
      熊本(KKRホテル熊本)
    • 年月日
      2011-05-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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