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2011 年度 実績報告書

タモロコ属魚類の適応的形態変異をもたらす環境要因と遺伝的基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09J55282
研究機関京都大学

研究代表者

柿岡 諒  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード適応進化 / 生体ゲノミクス / 系統地理
研究概要

コイ科タモロコ属魚類の形態における適応進化に関する研究を進めるため,本年度は,1)タモロコ属野外集団の系統的・系統地理的解析,2)タモロコとホンモロコのF2種間雑種を用いた連鎖解析を主に行った.1)については,ミトコンドリア遺伝子の塩基配列を用いた系統・集団遺伝学的解析を昨年度から引き続き行った.その結果,属内における系統の多様化とタモロコ種内の隠蔽系統が明らかにされるとともに,湖沼集団の成立が複数回独立に生じたことを明らかにすることができた.この結果については論文執筆を行い,投稿した.河川から湖沼に進出した魚類では遊泳・採餌関連形質に適応的変化が生じることが示唆されており,この変化がタモロコ属魚類でもホンモロコに生じたことが考えられた.この適応的な形態分化の遺伝的基盤を明らかにするため,タモロコとホンモロコのF2交配家系を用いた連鎖地図の作成と湖沼適応に関連したQTL(量的遺伝子座位)解析を行った.遺伝マーカーを探索するに当たっては,次世代シーケンサーを利用してゲノムワイドで高効率に大量のSNP(一塩基多型)マーカーを作成できるrestriction-site associated DNA sequencing (RAD-seq)を採用した.Illuminaシーケンシングにより得られたRAD-tagマーカーを用いて,高密度連鎖地図を作成することに成功した.さらに得られた連鎖地図と形態計測データをもとにQTL解析を行ったところ,湖沼型のホンモロコと河川型のタモロコ間での形態の差に差に関わる遺伝領域とその効果が検出された.ホンモロコとタモロコ間における採餌関連形質や体型の違いの多くは,効果の小さい複数の遺伝子座に支配されることが示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Next-generation RAD sequencing for the genome-wide genetic marker discovery and linkage analysis in Gnathopogon fishes2012

    • 著者名/発表者名
      R Kakioka, T Kokita, H Kumada, K Watanabe, N Okuda
    • 学会等名
      Kyoto University and The University of Tokyo Global COE Ioint Symposium
    • 発表場所
      東京大学,東京
    • 年月日
      2012-01-20
  • [学会発表] タモロコ属魚類の湖沼適応の遺伝基盤の探索:次世代シーケンサーを利用したsRADマーカーによる連鎖地図作成とQTL解析2011

    • 著者名/発表者名
      柿岡諒・小北智之・熊田裕喜・渡辺勝敏・奥田昇
    • 学会等名
      第44回日本魚類学会年会
    • 発表場所
      弘前大学,弘前
    • 年月日
      2011-10-01
  • [学会発表] Linkage map construction using sequenced restriction-site associated DNA markers in Gnathopogon fishes2011

    • 著者名/発表者名
      Kakioka, R., T.Kokita, H.Kumada, K.Watanabe, N.Okuda
    • 学会等名
      The 5th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE project
    • 発表場所
      Kyoto University, Kyoto
    • 年月日
      2011-07-09

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公開日: 2013-06-26  

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