研究概要 |
本研究では,直感的で分かりやすい検索意図の伝達のためのインタフェースの実現,および,ユーザの情報検索時の検索行動に関する知見を得ることを目的とする.本研究の目的の実現のため,本年度は特に(1)ユーザを検索プロセスに積極的に関与させるためのインタフェース,(2)ユーザインタラクションに基づく検索結果の統一的な再ランキングインタフェースの構築に取り組んだ. (1)に関しては,ユーザの潜在的な検索意図を引き出し,検索行為を手軽に繰り返すことが可能な仕組として,ウェブ検索において関連語をタグクラウド形式でユーザに提示するインタフェースの提案を行った.タグクラウド中に表示する単語の品詞情報(名詞,動詞,形容詞,形容動詞など)に着目し,どのような種類のクエリに対してどのような種類の品詞が,ユーザの興味を引くのかというユーザ調査を行い,ユーザを検索により関与させるための知見を得た.(2)に関しては,ウェブ検索エンジンやeコマースサイトといった検索サービスにとらわれることなく,ユーザが自由に検索結果を再ランキング可能なシステムを実現した.実際に提案システムをWebブラウザの拡張機能 「RerankEverything」として実現し,広く一般のユーザに公開を行った.また,ユーザ実験を行い,本システムを利用することで,ユーザは通常のブラウジング時よりも多様な検索結果を閲覧し,また,元々下位にあった検索結果をより多く閲覧するようになることを確認した.
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