研究課題/領域番号 |
10041012
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
岡田 健 東京国立文化財研究所, 美術部, 主任研究官 (40194352)
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研究分担者 |
東野 治之 奈良大学, 文学部, 教授 (80000496)
副島 弘道 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (20216576)
津田 徹英 東京国立文化財研究所, 情報資料部, 研究員 (00321555)
長岡 龍作 東北大学, 文学部, 助教授 (70189108)
加島 勝 東京国立博物館, 学芸部, 主任研究官 (80214295)
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キーワード | 陜西 / 唐時代 / 石窟 / 仏教美術 / 麟游 / 慈善寺 / 麟渓橋 / 九成宮 |
研究概要 |
本調査研究は、中国陜西省に所在する唐時代に開かれた石窟寺院の仏教彫刻について、美術史および考古学の方法から現地調査とそれにもとづく研究をおこない、長安を中心として展開した唐時代の仏像様式を理解するとともに同時代(7〜9世紀)の日本における仏像様式との比較検討におよぶことを目的としている。 1.現地調査 第2年次としての本年度は、8月28日から9月18日の日程で中国へ赴き(7名)、中国側分担者(5名)および中国側研究協力者(6名)とともに、昨年度に続いて麟游県慈善寺石窟および同県麟渓橋摩崖仏についてのべ8日間の現地調査を実施した。具体的内容は以下の通り。 (1)慈善寺石窟、全3窟10龕のうち、昨年度の調査で足場の架設を必要とするため残された4分の1について、調書作成、写真撮影、作図を実施し、全作業を終了した。 (2)麟渓橋摩崖仏 昨年度調査により作成した調書について、確認作業と補足の写真撮影を実施した。 また、本調査と関連して、麟游県内の九成宮関係遺跡、白家河摩崖造像、丈八寺鉄仏、獅子口摩崖造像、喇嘛帽摩崖造像、屯頭摩崖造像、、および黄陵県石空寺石窟、西安市近郊の香積寺、草堂寺、興教寺を調査した。さらに同時代の他地域の仏像様式と比較検討のため、河南省洛陽龍門石窟および周辺の小石窟について調査を実施した。 2.研究討論 昨年度の調査をもとに日中双方が作成した調書を持ち寄り、内容の確認、用語の統一などについて、調査期間中随時検討をおこなった。 3.資料の整理 本年度作成の資料については、(1)日中双方で作成した資料を整理し、(2)本年度撮影分の(1)6×6カラーポジ164枚、(2)6×6カラーネガ206枚、(3)35mmカラーネガ972枚を整理した。 4.中国側研究分担者の招へい 11月16日から11月23日の日程で西北大学王世和氏、同王建新氏を日本へ招へいし、研究に関する討論および報告書作成のための検討をおこなった。 5.国内関連調査 本調査に関連して、近畿地方で調査を実施した。 6.報告書の作成 本調査については、科学研究費報告書のほかに、日中共同の学術出版をめざし、現在中国国内の出版社等との交渉をすすめている。
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