研究課題/領域番号 |
10041013
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
内堀 基光 一橋大学, 社会学部, 教授 (30126726)
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研究分担者 |
森山 工 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (70264926)
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10183922)
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キーワード | マダガスカル / 民族集団 / 民族間関係 / シハナカ / ツィミヘティ / ザフィマニリ |
研究概要 |
平成10年度は研究代表者および分担者3名の全員がマダガスカル共和国にて1ケ月強から2ケ月強にわたる現地調査を実施した。まず森山は首都アンタナナリヴにて、シハナカ民族集団の生成にかかわる文献資料調査を国立古文書・公文書館をベースとして行い、19世紀から20世紀初頭におけるシハナカ居住地の行政および土地法の変遷を跡づけることに成功した。内堀はベツィレウ民族集団の一下位集団であるザフィマニリの村落を中心として調査を行い、ザフィマニリの民族アイデンティティが独自のカテゴリーとベツィレウとしての所属意識のあいだで揺れ動いていることを具体的に実証することに成功した。深澤はツィミヘティの村落調査を通じて、ツィミヘティと近隣民族集団たるサカラヴァとの日常的な交渉のあり方を精査し、あわせてサカラヴァ王国という歴史的政治体が民族カテゴリーを生成させる論理を追うことができた。平成10年度の調査全体を通じて、マダガスカルにおける個々の民族集団の生成がローカルな政治史とりわけ土地とその開墾をめぐる権利の授与に関わる政治過程を密接なつながりがあることが明らかにされた。
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