研究課題/領域番号 |
10041019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮治 昭 名古屋大学, 文学部, 教授 (70022374)
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研究分担者 |
中川原 育子 名古屋大学, 文学部, 助手 (10262825)
山岸 公基 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (90242792)
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (40135497)
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キーワード | 河西石窟 / 敦煌莫高窟 / バングラデシュ / 変化観音 / 浄土図 / 大日如来 / 密教五仏 / グプタ朝遺跡 |
研究概要 |
(1) 研究代表者および研究分担者(定金、山岸、中川原)は、5月22日に研究会を開き、研究課題である(1)浄土図、(2)大日如来と密教五仏、(3)変化観について、各研究分担者が昨年度の調査データをもとに総括した。また、今年度の実地調査地について、研究の方向性、資料収集の準備状況を話し合った。 (2) 研究代表者および研究分担者(定金、山岸、中川原)は、7月25日に中国に渡航し、8月13日まで敦煌莫高窟や安西楡林窟および河西地区の仏教遺跡(金塔寺石窟、馬蹄寺石窟千仏洞、文殊山石窟、炳霊寺石窟)を参観し、研究課題である三つの図像を中心に実地調査した。特に(1)莫高窟第220窟の阿弥陀浄土変相図や莫高窟第393窟の西方浄土変相図、莫高窟第332窟の阿弥陀三尊五十菩薩図、莫高窟431窟の観経変相図などの浄土図、(2)敦煌莫高窟(14窟、238窟など)や安西楡林窟の変化観音、(3)莫高窟(323窟など)や安西楡林窟(第10窟、第4窟)の大日如来と密教五仏は、四川や中原地域との影響関係、インド影響を考察する上で重要な作品であることを確認した。 (3)研究代表者および研究分担者(定金、山岸)は、12月19日から1月10日までバングラデシュおよびインドに渡航し調査した。バングラデシュにおいては、ダッカ博物館・パハルプル博物館・ヴァレンドラ博物館・マイナマティ博物館の収蔵品、および関連の仏教遺跡を見学調査した。従来ほとんど知られていなかった(2)大日如来と密教五仏、(3)変化観音中の如意輪観音と関係する図像、(1)浄土図と関連する蓮華のモティーフなどが明らかとなった。インドでは、カルカッタ・インド博物館、西ベンガル州立博物館、アシュトシュ博物館、サールナート考古博物館、サーガル大学博物館、グワリオール博物館、およぴグプタ朝遺跡で関連の作品を調査した。本研究に関係する未知の埋もれた状態になっていた作品を新たに発見することができた。
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