研究課題/領域番号 |
10041023
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
水野 信男 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (50032511)
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研究分担者 |
桝屋 友子 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 助手 (40300735)
西尾 哲夫 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助教授 (90221473)
鷹木 恵子 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (60211330)
堀内 正樹 広島市立大学, 国際学部, 教授 (10209281)
川床 睦夫 中近東文化センター学術局, 主任研究員 (00260141)
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キーワード | エジプト / イエメン / 音文化 / 舞踊 / パフォーミング・アーツ / 遊牧民 / 歌舞団 / 楽器 |
研究概要 |
1 本年度、エジプトでの参与調査の結果得られた新たな知見は、つぎのとおりである。 カイロ市の国立レダ民族芸能団の活動状況とその演出様式をくわしく調査し、エジプトのパフォーミング・アーツの普遍的なかたちを解明できた。またこのことと関連して、同芸能団とおなじ様式の歌舞団が、地方諸都市にあって、伝統的フォークロアの掘り起こしと、その舞台化につとめている状況が把握できた。一方シナイ半島の調査では、遊牧民のもつ民謡と民俗舞踊のいくらかを実地に記録し、それらのフォークロアの分析をとおして、アラブ民族の思考様式の一端をひきだすことに成功した。これはアラブ人とその文化の理解に資するとかんがえられる。 2 本年度、イエメンの参与調査の結果えられた新たな知見は、つぎのとおりである。首都サナア市での民俗音楽、とくに民族楽器の演奏と祭のための舞踊を調査、記録した。この結果、イエメン文化には、「源アラブ」の要素にくわえ、アフリカ系文化の影響がかなり濃厚に反映していることがわかった。(なお、イエメンのサナア市以外の調査は、地方部族による外国人誘拐事件が頻繁におこっている現状から、かなり困難でてあることがわかった。) 3 現在、国立民族学博物館の映像資料部の協力をえて、本年度の調査で得られた記録音源および映像の編集と資料化をすすめている。 4 今後の研究の展開について。調査地域として、次年度はエジプトにくわえ、ヨルダンとチュニジアを予定している。これらの東西アラブ諸国の未調査地域を調査することで、多彩な様相を呈するアラブ文化の現代的変容の地域差が、一層明瞭になるとおもわれる。
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