研究課題/領域番号 |
10041026
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
太田 好信 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (60203808)
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研究分担者 |
飯島 みどり 立教大学, 法学部, 助教授 (20252124)
狐崎 知己 専修大学, 経済学部, 教授 (70234747)
池田 光穂 熊本大学, 文学部, 教授 (40211718)
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キーワード | グアテマラ / マヤ運動 / 和解 / 先住民 / グローバル化 / エスニシティ / ナショナリズム / ネオリベラリズム |
研究概要 |
1996年和平協定締結以後のグアテマラでは、社会が急速に変化している。たとえば、本研究における過去3年間でも、(1)REMHIやCEHの報告書の刊行、(2)憲法改正の国民投票、(3)教育改革運動などの動向があった。また、2000年1月にはポルティーヨ氏が新大統領として就任した。新閣僚たちの顔ぶれも多彩であるが、それははからずもFRG党の内部事情の複雑さをを示す結果となった。いまだ政治の方向性すら予測できない状況にある。そのようななか、本年度は、以上のような予測不可能な社会変化を考慮し、調査対象をを臨機応変に変化させた。 太田は、1999年5月国民投票により憲法改正が否決され、和平協定に含まれていた「先住民言語の公用語化」が難しくなった状況において、それに代り急浮上してきた教育改革に関与している政府ならびに非政府組織の活動を、首都ならびにチマルテナンゴ県において調査した。この活動は、2001年以降グアテマラでの先住民の社会的地位に大きな変化を与えるであろう重要な案件である。太田はカクチケル語地域を調査対象にしたが、池田は、マム語ならびにキチエ語地域における同様な目的のために活動中の非政府組織を調査した。飯島は、グアテマラを民主国家として再建するために不可欠な(国家暴力により加害者と被害者になった人々の)「和解」過程を調べた。具体的には、サンマルコスのゲリラ再定住村での実態調査と、内戦についての小学校用歴史教科書編さんの仕事を調べた。狐崎は、グアテマラの民主化に関与する諸国際機関(国連グアテマラ検証団、マヤ民族団体、非政府組織など)の活動をインタビュー調査から明らかにし、これらの機関が現在のグアテマラ社会ではたす役割を調べた。
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