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1998 年度 実績報告書

エジプト・アラブ共和国 アブ・シール南地区における丘陵頂部および周辺遺跡の調査

研究課題

研究課題/領域番号 10041036
研究種目

国際学術研究

応募区分学術調査
研究機関早稲田大学

研究代表者

吉村 作治  早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80201052)

研究分担者 柏木 裕之  日本学術振興会, 特別研究員
秋山 慎一  早稲田大学, 商学部, 講師 (20221715)
高宮 いづみ  早稲田大学, 文学部, 講師 (70221512)
近藤 二郎  早稲田大学, 文学部, 講師 (70186849)
西本 真一  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
キーワードエジプト / 北サッカラ / アブ・シール南 / 新王国時代 / 末期王朝時代 / 日乾レンガ建造物 / カエムワセト / トトメス4世
研究概要

1991年以降の発掘調査によって、本遺跡においては、新王国時代第19王朝ラメセス2世の第4王子カエムワセトに所属する大型石造建造物が検出されていた。平成9年度の調査を以てこの石造建造物の発掘調査はほぼ終了し、平成10年度夏季の発掘調査は、石造建造物周辺の遺構と地形の確認に焦点を当てた。今年度の調査期間中に、石造建造物の西側、北側、および北西側において、発掘調査を行った。
石造建造物の北西には、第5次および第6次発掘調査の際に、高くなった地山の上に日乾レンガで築造された遺構の南東コーナー基礎部が検出されていた。今年度調査の中心課題は、この遺構の規模と年代を確認することであった。遺構の北東コーナーと西側壁体基礎部を検出することによって、この遺構が、ほぼ矩形の平面形態を持ち、東西約22m、南北約25mの規模であることを確認した。遺構の時期は未確定であるが、周囲の出土遺物から第18王朝中期アメンヘテプ2世もしくはトトメス4世治世の可能性が高いと考えられる。
石造建造物の西側には、1996年度の発掘調査の際に、日乾レンガ造の家屋の一部が検出されていた。今年度は発掘調査区を西側に拡張することによって、この家屋の全貌を発掘した。この結果、同家屋が東西10m、南北6mの規模を有し、6室の部屋から成ることが判明した。性格は、おそらく石造建造物の付属施設と考えられる。
今年度の調査中に、日乾レンガ遺構の東側から、石灰岩製ナオスや土器をはじめとする末期王朝時代に年代付けられる遺物が多量に出土し、本遺跡がこの頃、人間活動の領域になっていたことが明らかになった。
上記のごとく、平成10年度の発掘調査の結果、第19王朝に加えて、第18王朝および末期王朝時代の活動の痕跡が確認され、これらの時期についても、メンフィス地区の歴史解明に貢献する資料が提示できることになった。
また、1999年春には、比較資料収集を目的とする観察調査と関連資料の収集が行われた。主に、メンフィス地区の新王国時代の建造物が調査の対象となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshimura,S.,Takamiya,I.H.& Kashiwagi,H.: "″Waseda University Excavations at North Saqqara:A preliminary Report on the Fourth to Sixth Seasons,August 1995-September 1997″" Orient. Vol.34. (1999)

  • [文献書誌] 吉村作治、高宮いづみ、柏木裕之、秋山慎一、近藤二郎、中川武、西本真一、菊池敏夫、高橋龍三郎、長崎潤一、長谷川秦: "早稲田大学第5次アブ・シール丘陵頂部発掘調査" ヒューマンサイエンス. 第11巻2号. (1999)

  • [文献書誌] Yoshimura,S.,Takamiya,I.H.Kashiwagi.H., Akiyama,S.,Kondo,J.,Nakagawa,T.,Nishimoto,S.,Kikuchi,T.,Takahashi,R.,Nagasaki,J.& Hasegawa,S.: "″Waseda University Excavations at North Saqqara:A preliminary Report on the fifth season,August-September 1996″" エジプト学研究. 第7号. (1999)

  • [文献書誌] 吉村作治: "エジプト最先端考古学-ダハシュール北遺跡、アブ・シール南遺跡-" 古代オリエント世界を掘る(第5回西アジア発掘調査報告会). 53-59 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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