研究課題/領域番号 |
10041039
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 城西国際大学 (2000-2001) 京都文教大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
綾部 恒雄 城西国際大学, 人文学部, 教授 (30037030)
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研究分担者 |
黒田 悦子 国立民族博物館, 民族社会研究部, 教授 (60110079)
前川 啓治 静岡大学, 人文学部, 助教授 (80241751)
森川 眞規雄 同志社大学, 文学部, 教授 (80121804)
白石 さや 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70288679)
木村 和男 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (10004079)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 多文化主義 / 国民国家 / グローバライゼーション / エスニシティ / 先住言語民族 / 同化主義 / 文化相対主義 / 反人種主義 |
研究概要 |
3年間の研究・調査の結果、次のような成果を得たと考える。 (1)研究対象となった3ケ国の多文化主義は、"美しい"理念から出発したというよりも、国民国家統合上の政策として登場したものである。 (2)3ケ国とも、元イギリスの植民地であり、民主主義と議会政治の伝統を受け継いでいる。 (3)多文化主羲の台頭は、人権思想、反人種主義、文化相対主義思想の滲述と深く関わっている。 (4)3ケ国の先住民(イヌイット、ネイティブ・アメリカン、アボリジニ)は多文化主義に反対している。 (5)多文化主義の理念は、国民国家の統合を破壊する'危険'を、常にはらんでいる。 (6)20世紀末から加速した、グローバライゼーシヨンは、英語の使用、アメリカ的価値組の普及をもたらし、結果として多文化主義思考を弱体化し、同化志向価値を助長する。 (7)多文化主義が国民国家内で一定の成果をあげた場合でも、異文化間にみられるジェンダーの相違、宗教思想(例えば、キリスト教団におけるイスラム教徒)の違いをどのように扱うかという困難な問題が残されよう。 (8)現在、世界各国で視察される多文化主義は、国民国家の枠を越えることはできない。
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