研究課題/領域番号 |
10041042
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
久保田 優子 九州産業大学, 国際文化学部, 助教授 (20234502)
|
研究分担者 |
権 海珠 慶尚大学校, 師範大学・日本語教育科, 助教授
裴 錫柱 慶州大学校, 観光日語科, 助教授
|
キーワード | 韓国 / 日本語 / 日本語教育 / 企業研修 / 国際化 / 国際理解 / 日本観 / 反日感情 |
研究概要 |
本研究では、公教育機関での日本語学習者数が世界第一位である韓国において、日本語教育が果たしている役割およびその成果について実証的に解明した。まず、韓国企業について、1998年6月初旬から9月初旬まで150社の日本語研修担当者を対象に質問紙調査を実施し、49社から回答を得た。学校については、同年8月下旬から10月初旬まで、ソウル・釜山・慶州・晋州にある高校(7校)・短大(3校)・大学(3校)の日本語選択・専攻者合計702人を対象に質問紙調査を実施した。さらに各学校卒業生の進路調査番こより日本語教育の成果を分析した。 その結果、韓国における日本語教育の主な役割は1(日本から先端技術やサービス、各種システム等のノウハウを学ぶため)、2(生産機械、部品等日本製品を利用するため)、3(観光通訳等、日本人に韓国を理解してもらうため)、4(日本人や日本文化を研究するため)、5(日本を理解するため)、であることが確認された。 具体的には、韓国企業調査からは、(1)業務上、上記1、2、3の場合に日本語が必要とされること、(2)業種に関係なく日本語を必要としていること、(3)日本語研修の目的は、上記1、2、3の業務遂行において社員の日本語能力不足を補完するためおよび国際化に対応した人材養成であること、(4)企業内日本語研修が相当に成果をあげていること、が明らかにされた。また、学校における日本語教育については、(1)高校・短大・大学とも5(日本を理解するため)、に大きな成果をあげていること、(2)高校・短大・大学とも、卒業後の上記1、2、3、4の準備教育としての役割を果たしていること、(3)短大・大学では直接的に上記4の役割を果たしていること、が実証された。
|