研究課題
基盤研究(B)
高等教育における、高度情報通信・マルチメディア技術を活用した新しい教育方法・教育形態の研究開発推進の必要性に関して、産・官・学のさまざまな分野で提案がなされてきた。こうした各界の論議をふまえ、本研究では、当該技術を利用した日本の高等教育のシステム、学習リソース、教授法の改革に資するべく、基礎的調査を実施した。日本の高等教育改革を、衛星通信、インターネット、マルチメディア等の高度情報通信技術によって支援するため、欧米、アジア、大洋州における先進事例を調査研究した。次世代技術の教育利用に関する最新動向に加え、デジタルコンテンツの開発流通、ファカルティに対する情報化研修、学生に対する情報教育、情報化を推進するための学内外の支援機関について調査分析を行った。成果として、世界における衛星通信利用、欧州の大学等における著作物デジタル化の権利処理、欧米における教育ソフトウエアの品質評価基準、欧米の障害児教育におけるメディア活用、日本における情報通信技術を活用した大学教育の改革、アメリカにおけるバーチャル・ユニバーシティの現状などのほか、北米・欧州・大洋州・アジアの各大学・機関における35の事例報告を得ることができた。本研究の成果は、研究成果報告書にまとめられたほか、ホームページを開設公開し、高等教育機関に対するサービスとして、すみやかな情報提供を図る計画で、すでにサーバー等の準備を完了した。本研究の成果は、高度情報通信・マルチメディア技術を活用した日本の高等教育改革に資するものと期待される。