研究課題/領域番号 |
10041051
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
秋道 智彌 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (60113429)
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研究分担者 |
須田 一弘 北海学園大学, 人文学部, 助教授 (00222068)
山尾 政博 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70201829)
後藤 明 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40205589)
野中 健一 三重大学, 人文学部, 助教授 (20241284)
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キーワード | 水産資源 / マングローブ / 観光 / 持続的発展 / 環境汚染 / エスノネットワーク / ハタの活魚蓄養 / サンゴ礁 |
研究概要 |
1. マングローブ地帯における資源利用と変化 タイ国プーケット州・パンガー州におけるマングローブ地帯では、96年12月以降、国王による商業的なマングローブ伐採が禁止されるようになり、木炭産業に大きな打撃を与えた。一方で、ミドリイガイ、カキなどの貝類養殖業や、ハタ、ノコギリガザミなどの養殖と蓄養が積極的にすすめられている。これらの資源は、国内都市部の料理店や観光産業に利用されるとともに、バンコクを通じて中国向けに輸出されている。マングローブ地帯の資源とグローバルエコノミーとの結びつきは水産物に偏重する傾向がある。村を越えた村落連合による資源管理が模索されているが、全体として数がすくなく、人的、資金面でも不十分である。今後の改善が望まれる。 2. ベトナム沿岸と淡水域における資源利用 ハロン湾やメコン下流域における農業汚染やサンゴ礁の違法採取と観光客へのサンゴの販売など、小規模ないとなみで資源枯渇・環境劣化につながる問題点についての調査を実施した。中部のナチャン周辺ではクジラを祀る廟があり、漁業のカミとして尊敬されている。河川や池沼では、稲作農耕に付随して大型のタニシの採集がおこなわれる。タイにくらべて、多様な資源利用形態が存在することが明らかになった。それとともに、ベトナムでは、タイの場合とくらべて、外部経済による影響はまだ及んでいない側面がある。来年度以降、ベトナム民族博物館との共同調査を実施する合意に達した。
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