研究課題
国際学術研究
2月22日から24日までモンゴル国において、新しく成立した政府のもとでの文部行政関係閣僚と協議をおこない、遊牧文化および遊牧文明に関する今後の国際共同研究のあり方等について討議した。2月25日から3月6日までは中国内蒙古自治区東南部において、歴史的なモンゴル時代に先行する遼代の故地を中心に実態調査をおこなった。まず、赤峰市において地方文化行政の関係各位と調査方針について協議をへたうえで、すべて現地研究者と共同で調査に赴いた。バーリン右旗において遼代慶州城遺跡、遼代慶陵付近、元代帳応端碑等バーリン左旗において遼代祖州城遺跡、上京城遺跡、右窟寺「真寂之寺」等を見学したほか、現地の遊牧民から聞き取り調査をおこなった。現在では、半農半牧地域とりわけソバの主要な生産地となっている自然環境において、少なくとも10世紀より農耕文化と牧畜文化ひいては、農耕文明と遊牧文明を合体して2系統の統治システムが確立してきたことが明らかになった。こうした統治システムの遺産を人材レベルで受けついだことによって、初めてモンゴル時代(元朝)が到来するのであった。こうした文化接触の人類史的影響について今後2年間研究をつづけることになろう。なお、夏期には2名を派遣することによって、本研究の不足を補った。
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