研究課題/領域番号 |
10041054
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
田邊 繁治 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (00045262)
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研究分担者 |
平井 京之介 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助手 (80290922)
池田 光穂 熊本大学, 文学部, 助教授 (40211718)
松田 素二 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50173852)
床呂 郁哉 東京外国語大学, AA研, 助手 (90272476)
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キーワード | 認知 / 学習 / 共同体 / 徒弟制 / 実践 / 技能 / アイデンティティ / 主体 |
研究概要 |
本年度は前年度に調査した実践コミュニティの周囲で起きている都市化現象に焦点を当てた現地調査を行い、実践コミュニティ外部の都市化と内部の相互行為との関係についての資料収集を行った。また、儀礼、労働、医療の各分担者ごとに分かれて集められたデータの比較検討を行った。 1,儀礼の実践コミュニティ:田邊はタイ・チェンマイおよびラオス・ヴィエンチャンにおいて、近年の都市化現象とその中で急速に増殖してきた霊媒カルト集団との関係についてデータを収集した。床呂は、フィリピン・スールー諸島において、地域の都市化と平行してサマ族のシャーマン集団が変容していく過程についてデータを収集した。 2,労働の実践コミュニティ:松田はケニア・ナイロビで石工の実践コミュニティを取り巻く社会環境の変化について、また、ケニア・カカメガで石工予備軍について調査を行った。平井はタイにおいて、都市化および資本主義化と女性労働集団の変容過程との関係についてデータ収集を行った。 3,医療の実践コミュニティ:池田はグアテマラ・トトニカパンにおいて伝統的儀礼の司祭とクライアントの相互行為についてデータを収集し、前年度にグアテマラシティで得られた都市の治療師コミュニティについてのデータと比較検討を行った。 今後、これまでに得られた知見を総合することによって、これまで人類学において未開拓であった実践における認知のプロセス、およびそれが外部社会の変動といかに接合しているかといった問題を分析する理論的枠組みの構築を行っていく予定である。
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