研究課題/領域番号 |
10041059
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 昭彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00073966)
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研究分担者 |
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
山崎 慎一 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30282081)
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00229105)
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
清和 研二 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40261474)
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キーワード | 環境保全型農業 / 政治運動 / 市場 / 農村景観 / 土壌汚染 / 作物保護 / 河畔林 / 畜産公害 |
研究概要 |
本年度に行った調査・研究の内容は以下の通りである。 (1)韓国の火山灰土壌地帯での試料採取、資料収集、ヒアリングを行った。 (2)韓国中部(忠清南道)における稲作及び畑作地域の環境保全的栽培技術の実施状況について現地調査を行うとともに、韓国の研究者を招聘し、日本の実態調査をふまえて、日・韓両国における最新の環境保全的栽培技術に関する研究情報の交換を行った。 (3)韓国及び日本の農村地帯における河畔林について実態調査を行った。 (4)韓国の全北大学校の学生を対象に農村景観についてのアンケート調査を行った。 (5)韓国の環境保全型農業の専門研究者を招聘し、わが国の環境保全型農業の実態調査を共同で実施するとともに、昨年度韓国で収集した資料について意見交換を行った。 (6)昨年度に引き続き、韓国の環境保全型農業経営及び農産物流通の実態調査を行った。 (7)比較事例として、日本の中山間地(福島県昭和村)の環境保全型農業の実態調査を行った。 (8)以上の調査結果及び昨年度までの成果を取りまとめるのに際し、韓国の専門研究者からレビューを受けた。 その結果、1.小農構造を基礎とする日・韓両国の農業・環境問題の発現メカニズムおよび問題の内容は似通っているものの、農民層の分解パターンや農村社会構造の相違を反映し、農業環境問題修復政策の展開や環境農業の実践および環境農産物の流通システムには相違が認められること、2.環境農業の普及率は低く、環境保全型技術や家畜糞尿対策も未だ試行錯誤の段階にとどまっていること、3.河畔林の景観と種の多様性の相関関係を科学的に明らかにする研究がこれまで以上に深められなければならないこと、4.風景評価にも日・韓両国で大きな相違があることなどが明らかになった。
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