研究課題/領域番号 |
10041060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平野 厚生 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60008761)
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研究分担者 |
増田 聡 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (30231591)
長谷部 弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50164835)
藤本 剛 秋田経済法科大学, 経済学部, 教授 (00181397)
小野寺 淳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50292206)
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キーワード | 社会主義市場経済 / 中国の外向型市場経済 / 外資導入 / 技術導入 / 三資企業 / 経済技術開発区 / 城鎮集体企業 / 郷鎮企業 |
研究概要 |
本年度は煙台地域の外資系企業と在来産業の関連を中心に現地調査を実施し、事例研究の制約はあるが、以下のような、新しい事実認識を得ることができた。 1.外資企業の一部は合弁企業や取引関連企業を巻き込んで新しい産業勃興を促している。だが、その多くは高度技術の移入・開発・連携や技術者養成等の生産技術の高度化には関心が薄い。また主な原材料・設備機械は輸入で調達し現地調達率は低い。内資企業との取引も低調である。外資企業は中国の産業構造高度化を牽引するようにはあまり機能していない。 2.外資企業は依然として低賃金利用の労働力集約型生産と低価格製品の輸出志向型経営を継続しているが、それが雇用創出効果に結びついている限りで中国は黙認している。雇用の持続的増大が下崗<一時帰休者>や農民出稼ぎ者の就業を可能にすることは評価されている。 3.省を超えた広域圏の流通機構・流通機能の立ち遅れが見られる。特に集荷・分配の仲介業者としての卸商企業は、物流の面だけでなく売買取引、金融、情報の面で巧く機能していない。企業の直接販売がまだ主流である。中国は商業企業保護のため外資商業企業の国内市場参入を制限しているが、それも流通構造改革が進展しない理由の一つである。 4.大規模国有企業と各地の城鎮集体企業との資本・技術連携が進展している。反面、農村の農外企業は中小規模の民間・私営企業が廃業している。 5.郷鎮企業は、行政絡み又は外資企業絡み又は工業団地設置による地価騰貴絡みの場合は、安定的に経営拡大を持続している。しかしそれを除けば、資金力弱体で経営から撤退するケースが増えている。
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