研究課題/領域番号 |
10041060
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平野 厚生 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60008761)
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研究分担者 |
増田 聡 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30231591)
長谷部 弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50164835)
藤本 剛 秋田経済法科大学, 経済学部, 教授 (00181397)
小野寺 淳 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (50292206)
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キーワード | 中国市場経済 / 外資系企業 / 外向型市場経済 / 郷鎮企業 / 城市集体企業 / 農村集体企業 |
研究概要 |
1.本年度は煙台地域の郷鎮企業/農業/農家を対象に外資系企業進出が近隣農村部の市場経済化と産業発展に与えた影響を実態調査した。 2.莱陽市龍旺荘鎮の山東龍大集団企業の現地ヒヤリングを実施した。この郷鎮企業は旧生産大隊の煉瓦工廠が果菜の保鮮/冷蔵加工を中心とする食品加工企業へと転化発展したものである。それは、郷鎮の農民集団の、農民集団による、農民集団のための商業的農業づくりの中核として機能している。この商業的農業の産業化は農村自身の内部から発展したもので外資系企業進出の影響からは独立している。ただし家族単位の土地請負農家と企業との間の価格設定や利害対立をめぐる今後のトラブルが危惧される。 3.農村の市場経済化について、莱陽市照旺荘鎮葉家泊村の農民/党書記/鎮長からヒヤリングを行った。農民からは経済作物に特化した請負家族農業経営の実態を見聞した。ここでも外資系企業進出の影響から独立した農村集団の内発的市場経済化の実態を見た。食品加工企業と農民/農家とが一体となった商業的農業の産業化に取組んでいる。 4.牟平花蓮食品有限公司は省政府の食品輸出入公司とその加工廠とが合弁した国有企業で、ブロイラーを生産・販売する企業である。この企業は外資系企業に原材料を現地供給して成功しているが、外資系企業との取引は行政サイドの指定による。農村の国有企業は、食品加工業等の若干の産業を除いて、市場経済への転換に苦慮している。 5.深〓、上海浦東などの外資系企業の現況を視察した。外資系企業は、これらの地域では中国企業への影響力を発揮しており、地元産業を裾野化する傾向を見せている。外資系企業が地域の市場経済化に与える影響は、長江沿岸・珠江等の地域と環渤海地域とではハッキリとした違いが指摘できる。
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