研究課題/領域番号 |
10041065
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
矢澤 修次郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20055320)
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研究分担者 |
川崎 賢一 駒澤大学, 文学部, 教授 (20142193)
加藤 哲郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30115547)
伊丹 敬之 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (90017492)
落合 一泰 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (50212337)
新原 道信 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (10228132)
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キーワード | 情報社会 / ネットワーク社会 / 開発国家 / グローバル社会運動 / 遠隔地教育 / 情報文化 / 生活世界としてのテクノロジー / グローバルディジタルディバイド |
研究概要 |
本研究プロジェクトは、3年間にわたりアメリカ、アジア(マレーシア、シンガポール)、EU(オランダ、イタリア)、ラテンアメリカ(メキシコ)、アフリカ(南アフリカ)の実態調査を行い、世界中で進行している情報社会化の比較研究を行ってきた。その結果、「今日の地球社会は、科学・技術研究の原理に従って、社会変動が起こり、社会の発展の様式も知識・情報的な発展の様式になりつつある」という結論を得ることができた。本研究は、先の諸国民国家、諸地域における技術と社会のインターフェースの態様を調査した訳だが、それが(1)徹底的に自由を尊重する方向において行われている事例(アングロサクソン型)、(2)福祉(平等・友愛)を重視する方向で行われている事例(EU型)、(3)開発・発展の手段として行われている事例(アジア型)、(4)グローバルディジタルディバイドを回避する必要に迫られて行われる事例(ラテンアメリカ、南アフリカ)、という形で分岐し、地球社会では多様な情報社会化が進行していることがわかった。以上の点をふまえて、本研究は情報社会化の現段階を以下のように考える地点に到達した。すなわち、新しい情報技術システムは、依然として、古い社会システムやコミュニケーションのあり方を変える所までには到達していない。情報社会化に向けて急速な量的変化が起こっているが、それが質的変化を起こし、ネットワーク社会、情報社会と呼べるものは、まだ成立していない。したがって課題は、新しい社会が如何なる社会になるのかを明らかに、それとの関連において多様な情報社会化を進めることである。
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