研究課題
基盤研究(B)
契約意識についての国際比較研究プロジェクトの最終段階である本助成期間の当初に予定した調査国は、台湾、シンガポール、インド、パキスタン、イスラエルの5ヶ国であった。このうち、1998年度秋に台湾調査を実施し1614ケースの有効サンプルを収集した。1999年度夏にインド調査を実施し、1331の有効ケースを収集した。同年にパキスタン調査を実施する予定であったが、クーデターが発生し、調査実施が不可能になったので、代替国としてエジプトを対象とした調査を1999年度末から2000年度にかけて実施した。エジプトについては、商学部サンプルとして691サンプルを収集することができた。しかし、法学部サンプルは収集することができなかった。これはカイロ大学法学部でエジプト文部省の許諾がなければ調査実施ができないといわれたためである。継続してエジプト文部省に対して許諾を求めつづけたが、残念ながら2001年3月現時点で、許諾は得られていない。2000年度秋にはイスラエル調査を実施し、1464の有効サンプルを収集した。シンガポールについては、十分なサンプル数を確保できるめどがたたなかったため、実施に至らなかった。本助成研究との関連で、スウェーデンの研究者と連絡を取り、実施を依頼した。2000年度は調査とともに、本助成研究により収集したデータを含めた21ヶ国・地域のデータにつき、再度慎重に点検を行い、データセットの統合作業を進めた。2001年3月現在のデータセットとして21ヶ国・地域分のデータセットにつき度数分布や平均値などをまとめた基本報告書を作成したが、本格的な比較分析を引き続き慎重に進めていく予定である。