研究課題/領域番号 |
10041074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
野邊 政雄 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90218347)
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研究分担者 |
蘭 由岐子 賢明女子学院短期大学, 生活学科, 助教授 (50268827)
蘭 信三 京都大学, 留学生センター, 助教授 (30159503)
鰺坂 学 同志社大学, 文学部, 教授 (60135960)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 移民 / メルボルン / パーソナル・ネットワーク / 女性 / 集団参加 / エスニシティ / トラム / ネイバーフッド・ウォッチ |
研究概要 |
野邊と鰺坂は1999年8月にメルボルン大都市圏の東南部にある2つの中産階層地域で20歳以上60歳未満の女性200名にパーソナル・ネットワークと集団参加についての面接調査をおこなった。1つの調査地は都心に近い中産階層地域であり、若い夫婦が多く居住している。もう1つは郊外にある中産階層地域であり、比較的年齢の高い夫婦が多く住み、専業主婦が多い。このデータの分析によって、次のような発見をした。(1)メルボルンの女性はあまり近隣関係を組織していないが、その都市内で豊富な友人関係を持っている。ただし、友人関係はメルボルン大都市圏内の全体にわたって広がっているのではなく、メルボルン大都市圏の東南部に集中していた。中産階層の人々はメルボルン大都市圏の東南部に住み、労働者階層の人々はその北部や西部に住むというように、メルボルン大都市圏では社会階層による住み分けがなされている。中産階層の人々はやはり中産階層の人々と社会関係を取り結ぶから、友人の多くがメルボルン大都市圏の東南部に集中していたのであろう。(2)メルボルンの女性が組織するパーソナル・ネットワークの規模は日本人の女性のそれよりも格段に大きい。この理由については不明なので、今後、事例調査で明らかにしたい。(3)都心に近い中産階層地域よりも郊外にある中産階層地域では、女性は多くの近隣関係を組織し、近隣地域の多くの集団に加入していた。前者には多くの若い共働きの夫婦が住んでおり、近隣地域にあまり関与していないから、そうした結果が得られたと考えられる。
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